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「NEM」に熱狂的なファンが多いワケ――マンガで覚える「仮想通貨今昔物語」

コインチェックがマネックス証券グループ入りし、ビットコイン価格はじわじわ上昇!? 風雲急を告げるなか、更新がストップしていた(編集者の事情です)……えりしー氏のマンガ「仮想通貨今昔物語」が復活! テーマはコインチェック事件で話題をかっさらった「NEM」だ。一体、どんな仮想通貨なのか? 深すぎるNEMの世界観をご覧あれ。

<解説>

「NEM」(通貨単位はXEM)とは何者か? おそらく、その特徴よりも、コインチェック事件を思い浮かべてしまう人も多いだろう。

 ご存じのとおり、同事件では仮想通貨史上最悪となる580億円相当のNEMが盗難被害に遭った。原因はNEMにあったわけではなく、コインチェック側の管理体制のマズさ。本来ならネットワークから切り離された“コールドウォレット”で管理するべきところ、ネットに繋がったホットウォレットで管理していたため、悪意あるハッカーの侵入を許して不正に引き出されてしまったのだ。


高機能&拡張性高すぎ! 一言で説明しづらいNEM


 このコインチェック事件を取材していた際に感じたのが、NEMについて説明できる投資家が予想以上に少ないこと。「1万XEM以上保有していたら“ハーベスティング”で金利のようなかたちでNEMが手に入るところが魅力」(50代・会社経営者男性)というように、通貨としての魅力よりも、リターンの大きさを強調するコインチェック被害者が非常に多かったのだ。どういう仮想通貨なのか?と聞いても、「一言では説明しづらい通貨なんです」と答える人が大半だった。

 そんなNEMをえりしー氏は独自の世界観で表現して見せたが、実はNEMそのものもマンガのインパクトに負けず劣らずの世界観を有している!

NEM公式より

「New Economy Movement」の略称であることからもわかるように、その目的は「新たな経済活動」を作り出すこと。いわゆる、イーサリアム(ETH)などと同じ「プラットフォーム型」の仮想通貨で、NEM上でさまざまなアプリケーションを動かすことができるのだ。

 その最大の特徴は、多機能で拡張性が高い点だろう。簡単に言ってしまうと「何でもできる」。裏返せば、「一言で説明しづらい通貨」……となる。

NEM機能1 証明書を発行できる「アポスティーユ」


 まず、イーサリアムのスマートコントラクト(契約の自動執行)と似た機能として、NEMには「アポスティーユ」(公印確認)がある。ブロックチェーン上で証明書や権利書の発行、その権利書の譲渡などを可能にする機能だ。イーサリアムの場合は「EEA(Enterprise Ethereum Alliance=イーサリアム企業連合)」という大企業の連合体を形成してスマートコントラクトの活用法などが研究されているが、NEMのアポスティーユはもっとハードルが低い。中小企業や個人レベルでもアポスティーユ機能を活用できると考えればいい。製品の出荷データの記録やマンガの貸し借りの記録などもNEMに盛り込めてしまうのだ。NEMの受け渡しと同時に、「マンガを返却しました」という証明書まで発行できてしまうと言えば、少しはイメージしやすいだろうか。

NEM機能2 鍵を分割できる「マルチシグ」


 さらに、NEMはいち早く「マルチシグ」(マルチシグネチャー=複数の署名)を実装した仮想通貨としても知られる。一般に、仮想通貨を送金する際には、秘密鍵(パスワードのようなもの)が必要になるが、この秘密鍵を複数に分割してしまう機能だ。

 例えば、1つのウォレットを3人で共有するとしよう。秘密鍵が1つであれば、2人の了承を得ずとも一人で勝手にNEMが送金できてしまうが、マルチシグを導入すれば3人の同意があったときにのみ送金できるようになる。3人と言わず、10人、20人で共有する際には、多数決で大多数の同意が得られれば送金できる、という風にマルチシグを機能させることも可能だ。

 コインチェック事件後の記者会見では「マルチシグは導入していたのか?」という質問が飛んでいたが、導入していれば不正アクセスを許しても秘密鍵が盗まれる可能性は限りなく小さくなっていたと言っていいだろう。

coinmarketcapより

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独自トークンを発行できる「モザイク」

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