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日大会見“ぶちギレ司会者”の意外な素顔――前職・共同通信の関係者が明かす

 報道陣からの「この会見は、みんなが見ているんですよ」という声には、「見てても見てなくてもいいんですけど。同じ質問を繰り返されたら迷惑です」と我関せず。「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまうかもしれませんよ」という問いかけには、「落ちません!」と断言──。
米倉久邦

ニコニコ動画より(http://www.nicovideo.jp/watch/sm33254687)

 日本大学アメリカンフットボール部の宮川泰介選手が悪質な反則で関西学院大の選手を負傷させた問題は、25日に日大学長の緊急謝罪会見が開かれた今も、依然として沈静化する気配がない。それどころか、22日の宮川選手の会見の後に開かれた23日の日大側の会見でますます批判が集中。この会見で内田正人前監督と井上奨コーチを食う“存在感”を見せたのが、司会を務めた日大企画広報部・米倉久邦氏だった。

日大広報・米倉久邦氏は、いったい何者なのか?

 会見開始から1時間半が経った頃からだろうか。米倉氏は苛立ちを隠そうともせず、記者たちに高圧的な言葉を投げかける。「あなたは黙ってください!」「記者会見を打ち切りますよ!」「これ、何十人もやるのですか? いつまでかかるかわかりませんよ!」「さっきから、しつこい!」「同じ質問なので、もう打ち切ります! これ以上やっていてもきりがないです!」などなど……。さらに、こうした米倉氏の強硬な態度にしびれを切らした記者が「違う質問をします」と声を挙げると、「違えばいいというものではありません!」と一刀両断する有様だった。  これにはネット上も大炎上で、「なんなの、あの白髪のジジイは?」「火に油を注ぐスタイル」「“これだけはやっちゃいけない”という悪手の宝庫」と非難轟々。橋下徹氏もTwitterで「何よりもあの司会者が最悪だね。危機管理対応の記者会見なのに、あの司会は何なんだ?ほんと日本大学の危機管理能力はまったくないな。日本大学危機管理部は何してる!!」とこき下ろした。

共同通信時代から「失言マシン」だった

 “稀代のヒール広報”として一夜にして主役に躍り出た、この米倉氏とはいったい何者なのか? マスコミと激しく対立した米倉氏だが、実は元共同通信の記者。自身も「取材する側」の人間だった。  社内でのキャリアも申し分なく、ワシントン特派員、経済部長、ニュースセンター長、論説委員長など要職を歴任している。通信社における論説委員といえば、社説を執筆する部署のこと。つまり通常なら「適切な危機管理とは~」「大学教育におけるスポーツのあり方」などと、したり顔で解説する立場だったのだ。米倉氏を古くから知る共同通信の関係者が証言する。 「あれだけのキャリアだから、仕事はできる人ですよ。ただ、あの会見は彼の悪いところが全部出てしまった。豪放磊落(ごうほうらいらく)な性格で表裏がない。そして普段から失言マシンなんです。もともと共同通信時代も、部下を叱りつけるときはあんな調子でしたしね。上に立つ期間が長かったから、つい他社の記者陣にも部下を押さえつけるような感じになってしまったのかもしれません。おそらく今もムカついているということはあっても、反省はしていないんじゃないですかね(笑)」  新聞畑出身の米倉氏だけに、テレビマスコミやネットメディアの対応に慣れていなかった可能性は高い。また記者クラブでは事前に各社で質問を照らし合わせることも多いので、重複する質問にイラ立ったのではないかという意見もある。建物側の時間制約はないのだから、質問を全部受け流したうえで「それは先ほどと同じですね」などとチクリと嫌味ったらしく反撃する手もあったのではないか。

森林インストラクターで、ハードロック好き

 ところで’02年に共同通信を定年退職した米倉氏は、フリージャーナリストとして活躍。『六十歳から百名山』(新潮社)など、著作も多数抱えるに至る。その一方、非常勤として日大企画広報部に勤務するようになった。 「実は日大と共同というのは昔から結びつきが強い。日本大学新聞を共同通信OBが制作するなどの流れもあって、米倉さんも日大で働くようになったようです。とはいえ、共同通信の現役社員やOGも、彼が日大で働いていることを知らない人が多かったはずです。わざわざ自分から言いふらすことでもないですしね。もっとも酒の席では、“日大の待遇面は悪くない”などと話すこともあったようですが……」(前出・共同通信関係者)  早稲田大学在学中から山岳部の一員として汗を流し、森林インストラクターの資格も取得している米倉氏。趣味の幅も広く、音楽ではハードロックが好きという意外な一面も持っている。前出の共同通信関係者も含め、周囲からの評判は決して悪くない人物なのだ。  日大側としては「マスコミ対応のエキスパート」として米倉氏を投入したはずだが、皮肉なことに真逆の結果となってしまった今回の一件。学長の謝罪会見時には別の男性が司会を務めたが、かくなるうえは、米倉氏自身の謝罪会見が必要なのかもしれない。〈取材・文/日刊SPA!取材班〉
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