時給70円のお仕事――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記〈第19回〉
出野「おそくなりましたぁ!!!」
井戸「うるせぇよ!」
覚えてない人間を自分で呼んでおいてうるせぇよ!と間髪入れずに言える井戸社長。この人を主人公にしてヤンマガか漫画ゴラクで連載したい。
出野「すいません!お久しぶりです!」
井戸「だぇだよおまえ!」
A「ケラケラ」
出野「ビットコイン盗まれーたーの出野達也です!」
井戸「そうか。まぁすわれ。なに?ぬすまれたの?いくら盗まれたの?」
出野「いっせんまんえんです!!!」
井戸「やるねぇ…。イケメンだねぇ。スリスリ…」
出野「あ、ちょっと、はい。いや、ありがとうございます」
A「井戸ちゃんはスリスリしたいだけで別に男性が好きとかじゃないから。お散歩中のワンコのクンクンみたいなもんだから大丈夫」
出野「わかりました!」
わかったのか? なにがだ?
A「ということで、SPA!の連載がはじまって、漫画の連載も決まって、必要なのはネタに使える面白汁と達也の生活費なんだけど、この店で達也働かせてあげてくれる? 時給70円でいいから」
井戸「いいっすよ。じゃあ、おまえ明日から来い」
出野「ありがとうございます!!!」
A「よかったねぇ…ウンウン」
チカ「よかったわねぇ♡」
いやいやいやいや。みなさん。冷静に考えましょう。特に出野くん。
A「この店で働いたら、達也はいろんな社長に叱られる。みんなそれぞれの立場から遠慮なく達也を叱ってくれる。それぞれに違ったビジネスを持っていて、カッコつけてない本音で達也を教育してくれる。気使われたり遠慮されたりする年齢になる前に、この環境でたくさんいろんな方に叱っていただいて、みなさんから信頼されるようになったら、何か自分でビジネスを始めてみなさんに恩返しする。って展開になったら最高だよねぇ」
井戸「いいっすねぇ。賢い奴ニガテだからこういうのが丁度いいです」
A「ウンウン」
井戸「じゃあ時給70円で、お客さんからご馳走していただいた分はドリンクバックで」
出野「ありがとうございます!」
チカ「じゃ、達也くん、あしたからよろしくね♡」
出野「はい!!!!」
次号へつづく(いでの・たつや) 1994年、兵庫県生まれ。元かけだし俳優、高校卒業と同時に上京。文学座附属演劇研究所卒業後、エキストラ出演やアルバイト勤務を華麗にこなし、たまたま仮想通貨で得た大金を秒速で盗まれる。Twitterアカウント(@tatsuya_ideno)
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