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カーマニアのモテない趣味「孤独のダム巡礼」でダムカードをゲットだぜ!

 今年の夏は、猛暑にもかかわらず大雨が続いたことで、水不足はほとんど話題にならず。ということは、今ダムに行けば水量豊富な荘厳なダムの姿が拝めるはず! 運がよければ放流シーンも見られるかも! ついでにダムカードも集めたい! クルマじゃないと行けない場所に、好んで行きたくなるのが、カーマニアの性でございます。 オートクラブMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi

カーマニアのモテない趣味。ダムカード天下統一の旅

 クルマは男の自由を拡大してくれる魔法の翼。アレキサンダー大王は愛馬プケファロスを駆って世界征服の旅に出たが、われらカーマニアも愛車を駆って旅に出る!  世界征服はムリなので、今回はダムを巡ってダムカードを頂戴する旅に出よう! 「昨年、九頭竜ダム(福井県)に行って、ロックフィルダムに目覚めました! 今回はどんなダムなんですか?」(担当K)  実はダムには、大きく分けて3種類ある。黒部ダム(長野県)みたいな湾曲したコンクリート製のダムは「アーチ式」、ドーンと台形をしたコンクリート製のが「重力式」、そして九頭竜ダムみたいな土と石を積み上げたものが「ロックフィル式」だ。好みは人それぞれだが、せっかくなので一気に3種類のダムを巡り、ダム征服を果たそうじゃないか。  今年は大雨が続いたので、ダム湖の水量も多いはず。満々たる水をせき止めてビクともしないダムは、たくましき男の理想像。男の旅にふさわしい目的地である。 オートクラブ まず目指したのは、長野県の梓川のダム群だ。下流側から順に小、中、大のアーチ式ダムが並んでいるので、規模の違いを楽しめる。  長野自動車道・松本ICで高速を降り、国道158号線をひた走ると、現れたのは「小」の稲核(いねこき)ダムだった。小と言ってもそれなりにデカいし、視野に収まる感じがイイ。もちろん観光客はゼロ。完璧に独占できる。続いて水殿(みどの)ダム。これはぐっと大きく、思わず「おおっ」と声が出る。
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①稲核ダム

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②水殿ダム

 真打ちは奈川渡(ながわと)ダムだ。ダムの上から見下ろせば、「ヒョエ~~~!」と足がすくむぜ。堤高は155m。これは黒部ダムの186mにも迫り、せき止める梓湖の総貯水量は、黒部湖を大きく上回る。だけどやっぱり観光客は皆無。この独り占め感が男旅の醍醐味である。
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③奈川渡ダム
梓川の3つのダムは、安曇三ダムとも呼ばれている東京電力のダム。もっとも大きい奈川渡ダムは、アーチ式ダムとしては黒部ダム、温井ダム(広島県)に次いで日本で3番目の高さを誇る。ちなみに奈川渡ダム直下には安曇発電所があり、下流の水殿ダム、稲核ダムとの間で揚水発電を行っています

担当K:黒部ダムって行ったことないんですけど、そんなに凄いんですか? 永福:ダムそのものはこれと似たようなもんだけど、もっとメチャメチャ山奥にあるから、背景の景色は凄い。あと、徹底的に観光化されてて、いろんな高さに展望台があるよ。  奈川渡ダムも下から見上げたかったが、川沿いの道は関係者以外通行禁止で無念。しかしまあ、女子供がウジャウジャいる黒部ダムより、こっちのほうが地味で男らしい。
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世界遺産の白川郷も無視してダムに突撃!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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