安倍首相の外交が「四流」な理由。トランプをノーベル賞に推薦って…/倉山満
もっとも目も当てられないのが、対露交渉だ。安倍首相は、ウラジーミル・プーチン大統領と何十回と会談を重ねたと強調する。では、それで戦争で奪われた領土を取り返せるのか。
交渉を重ねるたびに、ロシアの発言はエスカレートする。「領土交渉など後回しにして先に平和条約を結ぼう」「そもそも、日露間に領土問題は存在しない」「日本は第二次大戦の結果を受け入れるべきだ」「北方領土と呼ぶな。クリル諸島だ」 等々、言いたい放題である。そして、とうとう安倍内閣は「日本固有の領土」という表現の使用を差し控えた。 既に完敗ではないか。こんな調子で、マフィアそのもののプーチンから領土を奪い返せると思っているのか。ちなみに、世耕弘成経済産業大臣は、「ロシア経済分野協力担当大臣」も兼任している。友好国でもない、はっきり言えば敵国への協力を冠した大臣など前代未聞だ。 はっきり言う。安倍内閣は北方領土を打ち切るべきだ。まったく返す気がないプーチン相手に交渉するなど、状況が悪化するだけだ。ならば交渉など、やめてしまえば良い。プーチンがいる間は、交渉するほど、状況は悪化するだけだ。 千歩譲って、大国ロシアに屈服するのは力関係でやむを得ないとしよう。では、増長はなはだしい韓国は何なのか。今の韓国は文明国として越えてはならない一線を越え始めている。国交を結ぶときに解決済みの戦前の話を持ち出して日本企業の財産を没収したり、自衛隊の艦にレーザーを照射したり(銃口を向けるのと同じ)、天皇陛下に向かって「犯罪者の子供」呼ばわりした挙句に土下座を要求したり。 これに対して、我らが安倍外交は「丁寧な無視」である。どこの自虐外交だ? もちろん、マトモにやりあう必要はない。基本的に無視してよい。ただし、相応の制裁を与えてからだ。 たとえば、いつも学校で嫌がらせをされているいじめられっ子がいたとしよう。仮にいじめられっ子をのび太、嫌がらせをするガキをスネ夫とする。スネ夫が命にかかわるいたずらをしたり、財布を盗んでいったりしても、のび太は「大人の態度」で「丁寧な無視」をするのか。奪われた財布を奪い返すのは当然で、「二度とやるな」と威嚇するのが当然だ。それでもスネ夫は嫌がらせを仕掛けてくるのだから、舐められたら無限大に増長する。 日本はのび太で、韓国はスネ夫だ。自分が強くならねば、舐められるだけだ。無視するのは結構だが、その前に制裁が無ければ、ただの泣き寝入りだ。 安倍外交の賛美者は「丁寧な無視」なるものを「大人の態度」と称賛する。しかし、日本語の「大人の態度」とは、「悪事を見逃す」ということだ。《総理の動き》1月21日(現地時間)安倍総理はロシア連邦のモスクワを訪問しました。翌22日(現地時間)、総理はウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン・ロシア大統領と会談を行い、続いて、共同記者発表を行いました。https://t.co/oCaZ7JLune pic.twitter.com/S83XOKFXWG
— 首相官邸 (@kantei) 2019年1月23日
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中
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