3月9日、埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールで声優・上坂すみれのライブツアー『ノーフューチャーダイアリー2019』の千秋楽公演が行われた。上坂は2018年8月に3rdフルアルバム『ノーフューチャーバカンス』を発表。今回のツアーはこれに伴って神奈川、大阪、埼玉を巡回するもので、その最終日、大宮ソニックシティ公演には超満員の上坂ファン、通称“同志諸君”が詰めかけた。 　定刻、客席が暗転し、煽り映像が流れたのち、オープニングSE「予感03」が流れ出すと、同志諸君は、かつて上坂が「ゲバルトの赤い棒」と表したウルトラレッドのペンライトを点灯。ドラム、ベース、ギター、キーボードからなるサポートバンドと上坂自身を真っ赤な光とともにステージへと迎え入れ、その当人は「ノーフューチャーダイアリー、始まるよー！」のシャウトとともにバンドの手によってファンキーにアレンジされた「踊れ！きゅーきょく哲学」をプレイしてツアーファイナルをキックした。 　その後「地獄でホットケーキ」「Hello my kitty」「平成生まれ」と『ノーフューチャーバカンス』収録の最新ナンバーを連投した上坂は、「すみぺー！」「かわいい！」と盛り上がる同志を「静粛にしろ！」「この愚民どもが！」と一喝しつつ、6年の音楽活動歴のうちにあまりツアーを回っていなかったことをカミングアウト。 「ツアーファイナルでは、なにをすればいいんですか？」と同志諸君に問いかける。これに客席から「ダブルアンコール！」と小気味よく返ってきたのを「あっ、それはないっス」と一蹴したのちには、客席に撮影用のカメラを認めてエキサイト。 「ここでみんなが道徳にもとる発言をしたり、反社会的な行動をしたりするとBlu-rayは即刻発売中止！」の声を合図にプーチンズ（現：ザ・ぷー）プロデュースの「ヤバイ○○」と、掟ポルシェ（ロマンポルシェ。 / ド・ロドロシテル）制作の「チチキトク スグカエレ」をドロップした。 　そしてその「チチキトク スグカエレ」の最中には、ロマンポルシェ。のパフォーマンスに倣ってステージ上にキャベツが登場。彼女はそのキャベツを前に「♪チ！チ！チ！チ！チチキトク！」「リキシが！のど自慢！ 女装で！のど自慢！」と高らかに歌いながら、それをみじん切りにするパフォーマンスを披露した。 「上坂すみれは今なにがほしい？」（正解：レーベルメイトでもある声優・水瀬いのりの蠱惑的なヒザ裏）などの上坂に関するクイズに、彼女の音楽プロデューサー・須藤孝太郎氏らが答えるクイズコーナーの結果、正答率が最も低かったスタッフがケツバットを喰らわされる幕間映像からスタートしたライブ中盤戦では、ステージの様相が一転。黒を基調にしたシックなロングドレスに身を包んだ上坂は、4台のミラーボールが乱反射する中、ハードロックチューン「罪と罰 -Sweet Inferno-」や、横ノリラウドロック「閻魔大王に訊いてごらん」などシリアスなナンバーを連投する、曰く「お葬式パート」を展開する。 　さらにサポートバンドによるインストゥルメンタルバージョンの「テトリアシトリ」の間にウサ耳姿に再度衣装チェンジした彼女は、突如ホールの1階客席に登場。同志諸君とハイタッチしながらホールを練り歩きつつ、アッパーなユーロビートナンバー「よっぱらっぴ☆」を歌い上げ、ステージに戻ってもユーロビート曲「来たれ！暁の同士」を続けて「♪生産！ 団結！ 反抑圧！」の大シンガロングを繰り広げた。 　EDM仕立てのオリジナル楽曲を生バンドで再現するというテクニカルなプレイで魅せた「POP TEAM EPIC」をプレイしたところでライブは最終盤に。バンドメンバーに「ある日目が覚めたら、あなたは5歳の幼女になっていました」「お母さんは不倫をしています」「さてどう生きる？」と、どうにも意図を判じかねる質問を投げかけるバンド紹介コーナーを挟むと「♡をつければかわいかろう」と「七つの海よりキミの海」というアッパーチューンを2連射。「♡をつければかわいかろう」では同志諸君と「♪上坂すみれは」「♪かわいかろう！」のコール＆レスポンスを、「七つの海よりキミの海」では「♪むろみ！ やめて！」の大合唱をキメて、笑顔でステージをあとにした。