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“ボン・キュッ・ボン”な声優・上坂すみれが語る「天才の変態」と「等身大」

 声優・上坂すみれが10thシングル『ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡』をリリースした。  この作品の表題曲のプロデュースは清 竜人。この曲がオープニングテーマに採用されているテレビアニメ『なんでここに先生が!?』のちょっとエッチでコミカルなストーリーになぞらえた、どこか色っぽくもかわいらしい正調アイドルポップに仕上がっている。
上坂すみれ

上坂すみれ

 昨年アニメ『ポプテピピック』のオープニングテーマ「POP TEAM EPIC」でビッグヒットを飛ばし、同年リリースのアルバム『ノーフューチャーバカンス』も高く評価されるなど、アーティストとして大きく飛躍した上坂。清 竜人という新たな才能とともに、今回はどんな新機軸を打ち出したのか? そして「平成生まれ昭和育ち」を自認するレトロ趣味者の彼女は、令和への改元を前になにを思うのか? 話を聞いた。

“天才の変態”が紡ぎ出す、文学性あふれるお色気

――この2~3月に神奈川、大阪、埼玉を回るツアー『ノーフューチャーダイヤリー』を開催していましたけど、いずれの公演もソールドアウト。僕は大宮公演を拝見させていただいたんですけど大盛況でしたね上坂:ありがとうございます。とてもいいツアーになったと思ってます(笑)。 ――今回のツアーはガチンコ勝負。バンドと上坂さんのみというシンプルな編成でライブに臨まれていました。 上坂:半年前に『ノーフューチャーバカンス』というアルバムを出したばっかりでしたし、それ以前にも2枚のアルバムと9枚のシングルを出していて楽曲の蓄積がありましたから。それをたくさん聴いていただける構成にしたかったんです。 ――そしてそのライブで、このたびリリースされたシングル曲「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」を初披露なさっていましたけど、正直ビックリしました。 上坂:私もです。もともと清(竜人)さんが主導していたアイドルグループ・清 竜人25(以下、25)が好きで、ライブに何度も通っていたんです。 ――25とは対バン(2015年12月の『清 竜人ハーレム♡フェスタ』)もしていますしね。 上坂:そうなんです。だけど清さんって25みたいな曲ばかりを作る方ではないじゃないですか。 ――25ではディスコやファンクに軸足を置いた曲を作っていたけど、上坂さんのレーベルメイトの堀江由衣さんにはQueenもかくやのドラマチックで演劇的なロックを提供していたし、今はソロ名義で昭和歌謡オマージュをやっています。 上坂:なのに、今回は容赦も手加減もなくかわいいアイドルソングが届いたのでビックリしました。 ――メロディとアレンジは複雑な転調を繰り返しながらも、すごくスムーズでドリーミーなアイドルポップですよね。 上坂:そのアイドルポップのデモ音源の仮歌を清さんが歌ってらっしゃって……。 ――あの人が〈この胸に♡ 太股に♡ ねえ♡ お尻に♡ 触れてみたいのでしょう?♡〉って歌っているバージョンが存在するんですか!? 上坂:はい。超貴重音源なので、今も大事に保管してあります(笑)。楽譜はいただけなかったので、レコーディング前は基本的に清さんの歌声をなぞるように練習していたんですけど、私も25の夫人の一員(清 竜人25は、清 竜人と、その夫人という設定の複数の女性メンバーからなる“一夫多妻制”アイドルグループ)になれた気がして楽しかったです(笑)。 ――上坂さんにとって清 竜人というアーティストの魅力ってなんですか? 上坂:さっきのお話にもあったとおり、時期ごとにまったくスタイルが違うというか……。 ――楽曲のテイストもそうだし、ビジュアルも変幻自在ですもんね。突然モヒカンにして背中一面に和彫りを入れたかと思ったら、今やピッチリした横分けのヘアスタイルで三つ揃いのスーツをビシっと着こなしている。 上坂:そのどれもが清さんだし、でもどれも清さんじゃないかもしれない。あの正体を掴めない感じが面白いんです。……あとなんだろうな? ご一緒するとすごく物腰が柔らかいし、理路整然とお話をなさるんですけど、その言葉の端々や楽曲を聴くに、お腹の中はヤバいことになっていそうな感じがあって。心の中に暗渠みたいなものが広がってそうなんですよね(笑)。昔の清さんの曲には「えっ、これサビどこ?」みたいな曲があったり、ポエトリーリーディングというか、詩の朗読みたいな曲があったり。その形のわからない感じが魅力なんだと思います。 ――基本的に上坂さんってそういうアーティストが好きですよね。戸川純さんもヤプーズとゲルニカとソロでは、アティチュードは通底しているのかもしれないけど、鳴らしているサウンドが全然違うし、遠藤ミチロウさんもスターリンとソロと最近の一連のプロジェクトではスタイルが違う。 上坂:そうですね。ヘヴィメタルみたいな様式美を感じさせてくれるジャンルも好きなんですけど、その人そのものがジャンルになっている方は追いかけていて面白いです。 ――そして “面白い人”の書いた歌詞なんですけど、CDのブックレットってご覧になりました? 上坂:狂気の沙汰ですよね(笑)。 上坂すみれ――12cmCDのジャケットサイズの歌詞カードに細かい字でびっしりリリックが書いてあるんだけど、上でも引用したとおり、ほぼ各文節の末尾に片っ端から「♡」マークが打ってあるという。 上坂:熱烈な好意を一方的に押し付けられたような気持ちになりました(笑)。 ――字面だけ見ると、風変わりなラブレターですもんね(笑)。ただ、作詞家の清さんはこの大量の「♡」それぞれになんらかの意味を込めたと思うんです。ボーカリスト・上坂すみれは、これらの「♡」という無声語をどうやってご自身の歌声に乗せたんですか? 上坂:適宜(笑)。曲調自体がかわいらしいから、全部の「♡」に毎回ラブリーな情感を乗せてしまうと味付けが濃すぎることになるので「文末の『♡』は生かす」といったように、塩梅を探るようにしました。だからこの歌詞カードの見た目の割に歌声は健全になっているはずです。 ――でも、おっしゃるとおり、あくまで「はず」ですよね。ボーカリゼーションは健全かもしれないけど、歌っていることが不健全というか、エロティックというか。セクシーなお姉さんが男の子を誘惑する内容になっています。 上坂:はい。 ――この詞を歌うにあたって「おやっ?」ってなったりは……。 上坂:しなかったですね。清さんは“天才の変態”みたいな方なので、詞は文学性に根差しているというか、すべての言葉が意味のある下ネタ、計算され尽くしたお色気ワードで彩られていて。すごく美しいひと皿の料理を楽しませていただいている感じがありました。確かにちょっとでもお色気のさじ加減を間違えるとただの下品になる難しい塩梅の曲、一歩間違えたら大変なことになる曲のような気はするんですけど、絶妙にかわいくて、ちょっとだけエッチ。すごくバランス感覚にあふれた曲だなと思っています。
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もう、私の等身がよくわからなくなってきました
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『ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡』

【CD】
01. ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡
作詞・作曲・編曲:清 竜人
02. last sparkle
作詞・作曲・編曲:吟(BUSTED ROSE)
03. 眠れない魔物
作詞:上坂すみれ/作曲:久下真音&金子麻友美/編曲:久下真音

及び各曲のoff vocal ver.

【初回限定盤付属DVD】
・「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」Music Video(袋とじ付き)+メイキング

ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡【初回限定盤】

オリジナル複製サイン&コメント入りブロマイド とめどない犯罪係数 ver.付

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