【ワタミ労災認定】元店員が語るブラックな労働環境
居酒屋チェーン「ワタミフードサービス」の新入社員の女性が2008年6月に入社2か月で自殺したことが、連夜の過重労働によって精神障害を負ったことが原因だったとして、神奈川労働者災害補償保険審査官によって労災と認定された。その件に関して同社社長の渡邉美樹氏がTwitterで発言したことが波紋を呼んでいる。
そんな中、同社チェーンを始め、類似の居酒屋チェーンの元バイトに、そのブラックな労働環境の一端を聞いてみた。
「報道にもあったように、社員の人は月100時間超の度を越した残業や、休日に研修と称したボランティアへの参加、それらのレポート作成をやらされるのは当たり前でした。あと面倒くさかったのは、ビデオレターってのが毎月送られてくるんです。社長の“ありがたいお言葉”をまとめたものなんですが、これにも毎回毎回感想を書かなくちゃいけないんですよ。最近では、人生訓みたいなものというよりも、社長がいま取り組んでるバングラデシュの話ばかりで……」(和民元アルバイト)
「従業員もストレスが溜まるせいか、モラル自体も低くなっていて社員がアルバイトにレイプまがいのことをするなんてこともありました。また、電車で痴漢した社員もクビにはならずに降格で他店に回されるだけとか、店長が売り上げをごまかして不正に給料を受け取っていても不祥事が外に漏れないようにするためか、大きなお咎めはありませんでした。そういう意味では“会社の存在目的の第一は、社員の幸せだから”という社長のツイートも嘘じゃないかもしれませんね(苦笑)」(和民系列店元アルバイト)
労働環境が過酷なのは、同社チェーンだけではない。他の格安居酒屋チェーンも同様であるようだ。
「ランチタイムがある店舗だと、朝9時に入って翌朝6時までのシフトも普通にあった。だから、必然的に店に泊まりこむことも増えて、調理場は洗い場として洗髪歯磨き髭剃りは日常でした。ある店舗では店の近くに社員同士でお金を出しあって部屋を借り、仮眠部屋&やり部屋にしていたりしました(笑)。正直、表沙汰にならないのは、ワタミより巧妙に隠蔽しているからじゃないかと思う」(某居酒屋チェーン店元アルバイト)
もちろん、これらの証言は一部の元アルバイトたちの談話であり、全店舗、全員がそうだとは限らない。とはいえ、ちょっと聞いただけでこれだけの不平不満が出るし、労災認定がなされたのもまた事実。
「労務管理できていないとの認識はない」「報道されている勤務状況について当社の認識と異なっておりますので、今回の決定は遺憾であります」(同社サイトより)などと知らぬ存ぜぬを決め込んでいては、まだまだ騒ぎは続くかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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