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「月20万で全てを犠牲にしなければならない」働き方改革の理想と現実

阪急電鉄の炎上を関西エリアの人はどう見る?

 一方、騒動の発端となった関西エリアでは、こうした格差がよりローカルな目線で語られているようでもある。 「阪急の広告ってのがミソやね。尼崎や西宮、神戸市内では阪急沿線とJR、阪神沿線では生活水準も文化も、天と地ほど差があるんです。阪急はカネ持ち、その他は庶民っちゅーイメージですわ。阪急に乗るような人たち、例えば芦屋に住んでるエリートやマダムにとってみりゃ、うちは80万もらっとるけど仕事が大変やわ、庶民はやりがいがあってええわ、なるんちゃいますか?  私みたいな阪神電車ユーザーなんか、工場で働いて月10万円代の給与で生きるか死ぬかでしょ? そもそも働き方云々考える前に、今日の飯、銭の支払いのことで頭がいっぱい。電車に乗るのも節約せなあかんのに、広告なんて見てる暇ない。阪急に乗る方々は、そうやって私らのこと見下してんのかなって思いますね(笑)」  神戸市に住み、尼崎市内の鉄鋼メーカーで働く桑野四郎さん(仮名・50代)がこう話すように、カネ持ちから見た「働き方」と、庶民が思う「働き方」へのギャップ。こうした格差を国民全体が感じているからこその「広告大バッシング」なのではないか。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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