昨今叫ばれていた転職市場における「40歳限界説」が崩壊。人材不足の波は40歳以上に追い風となっているという。そこで、人事担当者100人にアンケートを実施。彼らが求める人材とは? 令和時代に変わる転職事情と、生き抜く方法を探った。
転職で必要とされるのは“専門的スキル”と“熱意”

今後は中途採用がさらに活発化することが予測される。経団連が’20年の新卒採用から、説明会や選考の解禁日を示す「就活ルール」を廃止し、新卒一括採用の見直しを進めることを発表。現在すでに新卒採用は長期化し、優秀な学生は大学1、2年生の頃からインターンをして経験を積み、スキルで採用されている。
「少子化の進んだ今、新卒一括採用の効率は悪化。同じ人数を採用しても学生のレベルは格段に落ちています。ポテンシャルの低い新人を苦労して採用し、10年かけて育てるよりも、多少畑違いでもビジネスの基本を理解している30~40代を採用したほうが早いと考える企業が今後は増えるはず」(人事コンサルタントの城繁幸氏)
日本の労働市場も年功より能力重視の欧米型に近づいていくというわけだ。週刊SPA!が行った人事担当者へのアンケートでも転職者に求める能力の1位は「業務に応じた専門的なスキル」。「仕事に対する熱意」「社内外関係者とのコミュニケーション能力」がそれに続いた。
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Q あなたの会社が中途採用者に求めるものは?
(複数回答可)
業務に応じた専門的スキル…64%
仕事に対する熱意…53%
社内外関係者とのコミュニケーション能力…51%
新たな発想力、行動力…39%
業務、チームのマネージメント能力…36%
人脈…16%
その他…2%
※従業員数30人以上の会社の中途採用担当者100人が対象
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「中途採用では、前の企業で居場所がなく、仕事へのモチベーションも失った“燃え尽きた人”を採るのが怖い。そういった人は採用後すぐに休職や離職をしてしまいます。人事担当者が『熱意』を求めるのはそのためでしょう」(同)
逆に熱意とスキルがある人ならば、40代でも転職したほうが幸せになる時代が訪れつつあるのだ。
「どの職種でも、40代までの約20年で培ったスキルがあれば、多少は仕事内容をスライドしても能力を発揮できるはず。たとえば営業の場合も、転職で扱う製品や業界が変わっても、相手のニーズに合わせて提案を行う能力と、十分なコミュニケーション能力があれば、ひと月もすればバリバリ働けるでしょう。別の業界にも視野を広げたほうが、今の時代の転職活動はうまくいくはずです」(同)
会社への不満が募り、仕事への情熱をもてあましている40代男性が、転職への一歩を踏み出すべきは今なのかもしれない。
― 転職[40歳限界説]はウソだった ―