更新日:2023年03月28日 09:09
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「クレイジージャーニー」で話題の二人が熱弁、ブラジル・スラム街の歩き方と暮らし方

 6月20日(木)、テレビ番組「クレイジージャーニー」(TBS)出演で話題のふたりが、「スラム街の歩き方と暮らし方〜ブラジル・ファベーラのリアルとホマンチコ〜」をテーマにトークショーを行った。同番組の出演者が共演するのは、非公式の場では初。  ブラジル・リオデジャネイロのファベーラ(スラム街)に10年以上住み、そこで暮らす人々を撮影した写真集『ROMÂNTICO(ホマンチコ)』を刊行した写真家の伊藤大輔氏。  今回は、世界各国の危険地帯やスラム街を渡り歩き、近著に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』や『GONZALES IN NEW YORK』などがあるジャーナリストの丸山ゴンザレス氏を聞き手に迎えた。  今まで交わることのなかったふたりが交差する。写真家、ジャーナリスト、生活者、旅人……それぞれの立場からブラジルやファベーラのリアルについて語り合った。
ホマンチコ

丸山ゴンザレス氏(左)と伊藤大輔氏(右)

「ブラジルは治安が悪い」と報道されがちだが…

 クレイジージャーニー出演の常連でもあるゴンザレス氏いわく、「番組スタッフの間で“ヤバかった取材”として常に名前があがるのが伊藤さんのギャング撮影」なのだとか。写真集のなかにもファベーラで拳銃を手にするギャングの姿などが収録されている。
ギャング

ファベーラで撮影されたギャングたち。写真集『ホマンチコ』より

 とはいえ、危険なことばかりかと言えば、そうではないという。伊藤氏は「ブラジルに関する日本の報道には誤解が多い」と指摘する。 「ブラジルの危ない面ばかりクローズアップされがち。よく勘違いされるのですが、ファベーラも99%が穏やかな生活だから。残り1%ぐらいで銃撃戦がある。やっぱり、正しく伝えたいと思った。あと、僕が住んでいたのはファベーラのなかでも“高級ファベーラ”だから。ちゃんと住める家があって、自然や海が近くて。子どもを育てていたから、やっぱり快適なところにしか住まないよ。
ホマンチコ

写真集『ホマンチコ』より

 リオでも郊外のほうなんかは、僕でも入りたくない。ただ、治安のことって難しいですよね。極論を言えば、どんなに治安が悪いと言われている場所でも、どこに踏み込んだら危ないのかわかっていれば大丈夫だったりするから」(伊藤氏)  ゴンザレス氏もブラジルの各地を取材した経験がある。 「ブラジルって、実際に行ってみたらほとんどの場所が楽しいんですよ。ただ、僕の立ち位置からすると、『ぜんぜん危なくないですよ』とは言えない。だからリスク込みで伝えたうえで、最終的に面白いと思ってもらえたらうれしい」(ゴンザレス氏) 丸山ゴンザレス
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「みんな人生にドラマをもっている」
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ライター・編集者。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』(共に彩図社)など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ【最新版】』(辰巳出版)がある。Twitter:@gold_gogogo

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ROMÂNTICO
「クレイジージャーニー」出演で大反響。 リオのファベーラに10年住み、そこに暮らす人々のリアルな日常を切り取る写真家・伊藤大輔初作品集。ブックデザインはMATCH and Companyの町口景が手がける。


GONZALES IN NEW YORK
「クレイジージャーニー」で人気のジャーナリストが見た、“憧れの街"の裏側。多くの人種や職業の人が集まり、巨大な経済圏になっていれば、想像できる種類の犯罪や社会問題は必ずある。売春はあるし、ドラッグも頻繁に売買されている。マフィアもいるし、ギャングもいる。超セレブの家の近所に餓死寸前の貧乏人やホームレスがいたりする。おびただしい量のカオスを内包した巨大都市なのだ。


世界の危険思想 悪いやつらの頭の中
人が人を殺す理由は何なのか――。著者は世界中の危険地帯の取材を続ける中で、日本人の常識とは相容れない考え方に出会ってきた。仕事だから作業のように人を殺す、金持ちからは奪ってもよい、縄張りに入った奴はすべて排除する。そんな、教科書には決して載らない「危険思想」を体を張って体系化。

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