更新日:2023年04月13日 01:46
カーライフ

販売不振だったプリウスがまた売れ出したのは、なぜ?

 プリウスにどんなイメージを持っていますか? 燃費がいいクルマ、暴走する高齢者が乗っているクルマなど、いろいろあるでしょう。そんなプリウスは現行が4代目なんですが、気づけば顔とおシリのデザインが変わっておりました。人は見た目が9割と申しますが、クルマも見た目が大事ということが、プリウスでも重要な要素だったようです。 プリウスMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

攻めすぎデザインを改めたらプリウスが日本の国民車に返り咲きました

 販売不振に陥っていたトヨタのハイブリッドカー・プリウスが、昨年12月のマイナーチェンジで顔が変わったのを機に、ふたたび売れ始めております! 今年の4月から販売首位に返り咲き、1月から6月までのトータルでも日産ノートを逆転してトップに。定位置に戻ってきました!  現在の4代目プリウスが発表されたのは’15年末。当初は先代の勢いを引き継いでバカバカ売れたけど、2年弱で失速し、’18年には販売台数が半減(対’16年比)。アクアに負け、日産ノートにブチ抜かれ、ニッポンの国民車としての地位がやや揺らいでおりました。  販売減の最大の要因は、前衛的すぎる顔にあるという評判でした。2代目、3代目プリウスのデザインは、誰にでもわかりやすい適度な未来感がウリだったけど、「そこに安住してちゃイカン!」という開発陣の意欲が裏目に出てしまいました。  プリウスの失速は、日本と並ぶ金城湯池だった北米市場ではさらに深刻。まあアメリカの場合、ガソリン安やSUVブームという要因も大きいけれど、あちらでも顔の評判が悪かったのは確かです。  個人的には、あのプリウスの歌舞伎みたいな顔、デザイン的に攻めてて嫌いじゃなかったし、おシリの造形なんか惚れ惚れするほど先進的でカッコよかった。走りもそれまでより断然よくなって、全体に志の高い、いいクルマになったと思っておっただけに、それが売れなかったのは少し腑に落ちない部分がございます。もちろん買ったわけじゃないですが。私が買ったプリウスは初代のド中古(43万円)だけなので。  しかしトヨタとしても、看板モデルの販売不振を放置はできなかった。昨年末のマイナーチェンジでは、思い切って顔をフツーっぽく変えてきました。
プリウス

現行モデルは4代目のマイナーチェンジ。ヘッドライトとテールランプのデザインが変わっております

 私としてはこの顔、どこかヌルいし、世間におもねってる感じがするなあと思いますが、なにせ国民車だけに、これくらいの顔が正攻法ではある。加えて自動ブレーキが全車標準装備になるなど、商品力もアップ。見事に販売トップに返り咲いたというわけです。
プリウス

黄色のがマイチェン前。クルマに興味がない人は、どこが変わったの?と思うかも

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新プリウスの乗り心地は?
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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