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22年間で18cmもチビになったメルセデス・ベンツAクラス。時代に逆行するその理由は?

 世界の自動車の平均身長(全高)が、どんどん高くなっている! グローバルで進行中のSUVブームが、その最大の要因だ。  たとえば、昨年世界で一番売れたSUV・トヨタRAV4の全高は168.5cm。つまり、現在の日本人成人男性の平均身長くらいです。

RAV4

 一方、昨年日本で一番売れた普通車(軽以外のクルマ)だった日産ノートは、身長152cm。これは江戸時代末期のソレって感じでしょうか? 勝海舟の身長は150cmくらいだったらしいですし。  現在、世界で売れているクルマの半分近くがSUVになっている。日本じゃSUVブームが来る前に、軽ハイトワゴンブームやミニバンブームが来て、すでに平均身長がドカンと伸びていたけれど、その後を追うようにして、世界中のクルマの平均身長がぐんぐん伸びているわけです。

時代に逆行してどんどん背が低くなっているAクラス

 そんななか、身長が逆に大きく縮んだ稀有なクルマがある。メルセデス・ベンツAクラスだ。

コイツが現行Aクラスです!

 初代Aクラスの身長は160cm。最近のSUVよりは低いけれど、当時は他のベンツとまるで違う、ちっちゃくて背の高い体格で、プロポーションとしてはワゴンRあたりに近かった。

初代Aクラス

 ただ、その背の高さゆえに、発売直後にスウェーデンで行われたエルクテスト(道路に飛び出してきたへら鹿を避けるテスト)で横転してしまった。22年前の出来事です。  それでも初代Aクラスは、ベンツ初のFFコンパクトハッチバックとしてそれなりの地位を築き、それなりにヒットした。さすがベンツ様の威光。2004年に登場した2代目Aクラスは、159.5cmと、初代より少し身長が縮んでいたが、基本的なプロポーションはそんなに変わっていなかった。

2代目Aクラス

 ところが、2014年に発表された3代目は、一気に平べったくなっていた! 身長はたったの142cm。日産ノートより10cmも低い。  実は、初代と2代目のAクラスは、燃料電池車や電気自動車にも転用できるように、燃料電池ユニットやバッテリーを収められる二重床になっていた(サンドイッチ構造と言います)。ところが結局それらが市販化されることはなく、その空間はムダに終わりました。

3代目Aクラス

 3代目はそのムダを省いて床を低くし、同時に全長を40cmも延長。幅も広くして、室内の広さを稼いだのでした。  でもって、昨年登場した4代目は、身長は据え置きのまま幅を2センチ広げることで、さらに若干平べったくなった。日本で進んだハイトワゴン化の真逆ですな。

さらにスポーティになった4代目Aクラス

 いったいナゼAクラスは、こんなに背を低くしたのか?
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主な目的は●●●●の低減
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