お手軽キットでゲームボーイを改造。名作を最新液晶パネルで楽しむ方法
昨今のレトロゲームブームで注目を浴びているのが、ゲームボーイなどの旧携帯ゲーム機の液晶カスタマイズです。
フルカラー発色やバックライト、充電式内蔵バッテリーなど今では当たり前のように搭載されているこの機能ですが、ゲームボーイが初めて発売された1989年当時にはバックライトを搭載したゲーム機は一部のマニア向けゲーム機だけに留まっており、周りに明かりが無いとゲームをプレイする事が出来ませんでした。また、電源は純正パーツとしてバッテリーキットやACアダプタキットなどが発売されていましたが、充電池の性能も低く、当時の子供たちには敷居の高いゲーム機でした。
そんなゲームボーイも時代とともに進化していき、1998年にはELバックライトを搭載したゲームボーイライト、カラー液晶を搭載したゲームボーイカラーが登場。しかしながら、液晶への光源搭載とカラーを兼ね備えたゲーム機は、2003年に発売されたゲームボーイアドバンスSPの登場を待たなければならなかったのです。
さて、そんな旧世代の液晶パネルを搭載した携帯ゲーム機をカスタマイズして最新の機能を搭載させてしまおうという試みが、最近のレトロゲームフリークスの間で人気を集めています。
これまでもゲームボーイにゲームボーイアドバンスSPのフロントライトを移植したりする改造は長年行なわれており、さまざまなアフターパーツも販売されてきましたが、ハンダ作業や大掛かりな加工が必要だったりとカスタマイズするにはそれなりに知識が必要だったのです。
しかし、最近では専用に開発されたIPS液晶パネルを改造に使うのが主流となり、用意されたキットを使うだけで簡単に組み立てを行うことができるようになりました。というわけで、今回はaliexpressで購入したキットを使い、ゲームボーイカラーをIPS液晶化してみました。
今回筆者が購入したのは「IPS V2」と呼ばれる改造キットです。11月現在では「V3」と呼ばれるキットも登場していますが、こちらは「V2」の機能にプラスしてバックライトの色を変更できる機能が追加されているだけなので、不要と判断して「V2」を選択しました。
ゲームボーイシリーズには、ケースの固定にY型ネジ、基盤には+ネジを採用しているので対応するドライバーが必要です。Y型は1.7mm、+ネジはNo.00を用意すると、ネジをなめることなくきれいに取り外すことができます。またこの「IPS V2」では、組み立ての際に一部ケースの加工が必要になるのでプラモデル用精密ニッパーも用意しておくといいでしょう。
工作手順は至ってシンプル。
1.ゲームボーイカラーの6本のYネジを外したらケースを分解
2.次に液晶パネルのフィルムケーブルを取り外し、3本のプラスネジを取り外したらメイン基板を取り外すことができます
3.その後、ボタン類、液晶パネルをケースから取り外したらケースの加工です
4.IPS液晶は縦長なのでそのままでは収まりません。なので液晶パネル取り付け部分の出っ張りをニッパーで切り落とします
5.ケース加工が完了したら付属のテープで液晶を固定、液晶用基盤を取り付けたら元通りに組み立てて完成です
最新の液晶パネルにしたことで、快適にプレイできるようになったゲームボーイカラーで過去の名作を楽しんでみてはいかがでしょうか?テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
ゲームボーイの液晶パネルの改造が手軽にできるようになった!
ゲームボーイカラーの液晶パネル交換をやってみた!
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ