更新日:2023年04月18日 10:57
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今の日本の不幸は、安倍自民党を批判するまともな野党がいないことだ/倉山満

日本一バカな有権者。その名を神津里季生

 だが、なぜ立憲民主党とその支持者はバカなのか。その理由を、はっきりと追及した言論は寡聞にして知らないから、あえて書く。  日本一バカな有権者。その名を神津里季生。日本最大の労働組合、連合の会長である。  なぜ神津が愚かか。その理由を縷々(るる)説明しよう。  今の日本に健全な民主制など存在しない。なぜなら、民主制とは国民の代表を選挙で選ぶ制度である。国民は、どの政党が支持できるかを投票によって決める。この場合、最低でも二つの選択肢が必要だ。三つの選択肢が必要かどうかは知らないが、一つでは投票の意味がない。マトモな政党が一つしかないのであれば、ファシズム(一国一党)で構わない。  だから民主制においては、マトモな政党が二つなければならないのだ。マトモな与党の存在は大事だが、政権交代可能なマトモな野党の存在はもっと大事なのだ。  では、日本にマトモな野党が存在したか。  長らく、日本社会党という恥ずべき政党が野党第一党の座に居座り、健全な野党の進出を阻害してきた。  この反省に立って設立されたのが、民主党だ。民主党には少なくとも、政権を担うとの意思はあった。現に自民党を倒し、政権交代を実現した。その後の政権運営は絶望的なまでに稚拙だったが。  民主党の野党転落後、離合集散が繰り返される。平成28(2016)年に民主党は解党。代わって結成された民進党は、すべての国政選挙で安倍自民党(創価学会傀儡)の勝利を許した。  平成29年に、民進党は立憲民主党と国民民主党に分裂。いずれも、安倍自民党(創価学会傀儡)にかすり傷一つ、つけられていないのは周知のとおりだ。  この間、平成27年から連合会長の座にあるのが、神津だ。連合は旧民主党政治家たちの最大の支持母体である。はっきり言えば、連合会長に逆らえる旧民主党系議員など、いない。この構図は、池田大作創価学会名誉会長に逆らえる公明党議員がいないのと同じだ。神津は、それだけの影響力を行使できる立場にあるのだ。  それでいて、この体たらくである。いったい、この人物にどのような見識があるのか? アベノミクスが好調の内は、「安倍内閣が続いた方が労働者の賃金が上がるから、無理して政権と対立しなくても良い」くらいに考えていたのか。

真っ当な批判がない限り、日本国民だけが地獄を見る

 仮にそう考えていたとしたら既に有権者への裏切りだが、過去の事は百歩譲って許そう。問題は、デフレ脱却前の消費増税を掲げ、景気回復を破壊しようとしている安倍内閣に代わる選択肢を示せていないことである。  はっきり言う。枝野幸男ら、立憲民主党の幹部たちは、わざと安倍自民党(創価学会傀儡)を勝たせた。少なくとも、勝ちにいっていない。そしてそれを許容しているのが、最大の支持母体の連合であり、その会長の神津里季生だ。  私とて、最初は安倍内閣に期待した。現に最初の一年弱だけは、夢を見させてもらった。金融緩和を軸とするアベノミクスにより景気は劇的に回復していたし、それは安倍首相の公約である「まずは経済」「戦後レジームからの脱却」を信じるに足る成果を出していた。ところが、平成25年10月1日に消費増税8%を宣言してから、経済だけでなく政権の勢いまでも停滞した。その後、7年も政権を独占して何の成果も出せない内閣と化した。  これに対し、「金融緩和をもっと徹底しろ!」「消費増税など論外だ!」と批判する野党が欲しい。ところが現実の野党第一党は、「金融緩和などやめてしまえ!」と迫る。増税反対も建前で、本音では「さっさと増税しろ」と思っている。  今の日本の不幸は、安倍自民党内閣(創価学会傀儡)の失政を批判する、まともな野党第一党が存在しないことだ。  皇室の問題、憲法、安全保障。批判すべき攻めどころなど山のようにある。  真っ当な批判がない限り、日本国民だけが地獄を見るだろう。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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