更新日:2023年04月25日 00:24
お金

2001年に買った商品の価値は今? テレビ、クルマ、腕時計…

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  先日、私は中学校の同級生たちと、久々に母校に遊びに行ったのですが、もう中学校を卒業してから20年近い月日が経過したことに驚きました。私が中学3年だったのは2001年ですが、2001年といえばまさに21世紀の始まり。90年代から「世紀末」という言葉をよく聞くなど、「21世紀は未来」という印象が強く、実際インターネット時代の幕開けや、ハイブリッドカーの登場など、90年代後半には時代が変わる出来事が多かったと思います。

斉藤由貴生

あの高級プラズマテレビは今いくらで売れる?

 2001年になると、「90年代に想像した未来がやってきた」という感覚になったわけですが、実際、生活空間でも大きく変わる出来事が起きています。  それこそが、テレビの薄型化なのですが、当時、比較的裕福な人を中心にプラズマテレビへの買い替えが流行っていたように感じます。  私の中学の同級生は、港区在住の人が多いのですが、彼らの中でも特に「カネ持ち」と言われる人がプラズマテレビを導入。同級生の会話でも、「あいつんちテレビ買ったんだって!」とか、「こいつんちは32インチだけど、あいつんちは42インチらしい」みたいな会話が盛り上がっていました。当時の中3の感覚では、「大きな薄型テレビ」こそが、お金持ちを象徴するモノだったといえます。  そのような会話を聴いていた私の腕には、パテックフィリップのアクアノートがあったのですが、誰もそれには見向きもしませんでした。  私は当時、自分の腕時計を褒めて欲しい、少しでも尊敬されたいと思っていたため、プラズマテレビを買ったクラスメイトが羨ましくて仕方がなかったことを覚えています。

日立製作所が発売した当時、世界初となる32型プラズマテレビ

 当時の私の家のテレビは、ブラウン管だったのですが、全くプラズマに買い換える様子はなく、私も買い替えを推奨しませんでした。なぜなら、プラズマテレビは「いずれ安くなる」と思っていたからです。  2001年当時のプラズマテレビは、50万円以上といった価格帯。今では、32インチの薄型テレビが3万円程度で買える時代ですが、当時はその10倍以上したのです。  ちなみに、家庭用の薄型テレビは、99年にシャープから登場しましたが、当時のサイズは20インチでした。(小型液晶テレビはそれ以前から存在)  2001年頃から徐々に大型薄型テレビが「新商品」として注目を浴びるようになったと記憶していますが、その頃は大型の液晶テレビはなく、32インチとなると、プラズマテレビが主流だったのです。32インチなど、大型サイズの液晶テレビが主流になってしたのは、2000年代中盤だといえますが、2010年頃には、既に32インチが3万円台といった価格帯で売られるようになっていました。  つまり、32インチの薄型テレビは、2001年には「羨ましがられるアイテム」だったわけですが、2010年頃には学生でも買える価格帯となっていたことになります。ですから、その高級耐用年数は10年未満であるのです。  なお、もしも2001年に買ったプラズマテレビを2019年の今、売ろうと思ったらいくらぐらいになるでしょう。  私が調べた限りですが、2001年頃のテレビはたまに街中のリユースショップで売られている様子を目にしますが、その価格は1000円程度。買い取ってもらえばラッキーで、もしかしたら処分費がかかるぐらいの価値しか無いかもしれない状態だといえます。  プラズマテレビのように「新しさ」に価値があると思われる品物の“高級”耐用年数は、いつの時代でも短いと思います。
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2001年式のベンツはいくらで売れる?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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