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文在寅政権 vs 韓国検察の泥沼バトル。ついに「自殺者」も…

疑惑が続出し、曹国元法相に再び捜査の手が?

文在寅大統領

文在寅大統領(韓国大統領府提供)

 11月4日、韓国・大統領府(青瓦台)に検察の家宅捜索が入った。捜査は「強制」ではなく、検察が要請した資料を青瓦台側が「任意」で提出するかたちだったが、家宅捜索自体、文在寅(ムン・ジェイン)政権になってから3回目。娘の大学不正入学疑惑や私募ファンドの不正投資疑惑などで、法相辞任を余儀なくされた曹国(チョ・グク)氏を巡る一連の騒動に端を発した文政権と検察の“暗闘”は、今後、さらにヒートアップしそうな気配だ。
曹国氏

法相辞任を余儀なくされた曹国氏

 今回の家宅捜索の容疑は、青瓦台の民情秘書官室が、先月末に収賄の容疑で逮捕された釜山(プサン)市の柳在洙(ユ・ジェス)元副市長への「監察」をもみ消した疑い。柳元経済副市長は文在寅大統領が政治の「師」と仰ぐ故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の元秘書だったため、事件当時、民情秘書官室のトップだった曹氏が「忖度」して、捜査を妨害したとする疑惑も浮上している。  だが、文在寅政権を巡る黒い疑惑はこれだけではない。昨年6月に行われた蔚山(ウルサン)市長選に大統領府が不正介入した疑いも噴出しているのだ。  保守系現職の金起炫(キム・ギヒョン)候補と左派与党系の宋哲鎬(ソン・チョルホ)候補の一騎打ちとなった市長選は、当初、金氏が圧倒的優位と見られていたが、昨年3月に金候補陣営に不正疑惑が持ち上がり警察が捜査を開始。選挙公示後に家宅捜索が入る事態に発展したことで、対抗馬の宋候補が逆転勝利を収めた。  だが先月、この捜査自体が、当時曹氏がトップの役職にあった青瓦台の民情秘書官室からの情報提供を機に始まったことが発覚。こちらも、青瓦台からの「下命」によって対立候補を告発したのではないか? と疑いの目を向けられているのだ。龍谷大学教授の李相哲氏が話す。 「2つの介入疑惑は、ともに曹国氏が主席秘書官を務めていた民情秘書官室が中心的な役割を担っていますが、特に蔚山市長選への介入疑惑は、文在寅政権の典型的な手法と言っていい。最初に人事権を掌握している民情秘書官室が地元の警察庁長を政権に都合のいい人物にすげ替え、対立する野党候補のスキャンダルを探らせ、選挙公示後のタイミングで家宅捜索を行った……。  新市長は過去8回立候補した選挙のすべてで落選しており、市長選前の情勢調査でも現職候補に15ポイントも差をつけられていたのに、このスキャンダルが決定打となり逆転勝利しています。しかも、新市長になったのは、文大統領が若い頃、盧武鉉元大統領とともに弁護士事務所を構え『兄貴』と慕っていた人物。過去に『自分の宿願は兄貴を当選させること』と公言し、曹氏も一時は新市長の後援会長を務めるほどの仲でした」
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「元職員」が謎の死
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