人生を変えるには自力と他人の力が必要なわけ
変化には年単位の時間がかかる。その年単位の時間によって、「自分が考えたこと」と「その考えが引き起こしたこと」の因果関係は不明確になってしまう。そして、その不明確な因果関係を明確にしてくれるのが、「そういえば」だ。誰かに話しておけば、たとえ自分が忘れても、ふとした拍子に「そういえばそんなこと言ってたね」と相手が思い出させてくれる。
大切なのは「自分で覚えておけばいい」と考えないことだ。すべての考えを記憶して、すべての体験と因果関係を結びつけられるほど、人間は完璧ではない。人生を変えるには、自力と他力の両方が必要だ。
「兄に対してオドオドしなくなった」という言動の変化は、自分だけの小さな変化だ。しかし、こうした小さな変化を自覚して、「今の自分なら次はこれができるな」と考えるから、他人を巻き込んだ大きな変化を起こせるようになる。「今のお前ならやれることがあるだろうから、好きなようにやってみろ」という兄の言葉はその未来を暗示している。
自分の考えが少しでも変われば、その考えが引き起こしている結果も少しだけ変わる。その因果関係を把握することが、「自分の人生は自分でコントロールできる」という自信になる。
「人生を変えたい」と思うなら、自分の考えを人に話すようにしてみてほしい。ある時、「そういえばそんなことを言ってたね」と誰かに指摘されて、自分の変化が自覚できるだろう。
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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