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日本企業はなぜ没落したのか。“チマチマ病”という悪弊/アマゾン元幹部に聞く

 日本企業はなぜこんなに凋落してしまったのだろうか?  世界時価総額ランキングTOP20のうち、平成元年(1989年)には日本企業が14社も入っていたのに、令和元年(2019年)はなんと0社だ。  現在の時価総額TOP20を占めるのはGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの米国IT企業や、アリババなどの中国IT企業である。 GAFA これらの企業と日本企業を分けたものは一体、何なのか? アマゾンジャパン元経営会議メンバーで、『amazonの絶対思考』の著者である星健一さんに、話を聞いた。 amazonの絶対思考

決めない、挑戦しない、チマチマ病の正体

――星さんは2008年にアマゾンに入社され、10年間、アマゾンの急拡大を“中”で体感されたわけですが、やはり、日本企業と外資系企業は違いますか? 星健一氏(以下、星):日本企業と外資系企業、どちらが正しいというものではありませんし、私がお話できるのは、あくまで「アマゾン」との比較ですが、経営・経営層、人材のマネジメント、ビジネスモデルという部分で、やはり違いを感じます。 まず経営・経営層でいうと、求められるもの自体が違うのではないでしょうか。 ――経営に求められるものとは? 星:日本企業の場合、一部のオーナー社長を除けば、内部昇進したサラリーマン社長が多いですよね。60歳代に就任し、任期はだいたい数年。一般社員よりは高給ですが、高いインセンティブがあるわけではない。限られた年数の中で「失敗しない経営」を貫き、任期を勤め上げようとする方が多いように感じます。 ――アマゾンは違うのでしょうか? 星:これについては外資系全般と言っていかもしれませんが、外資企業のトップに求められるのは「挑戦」です。日本企業ではたとえば「営業利益前年度数%増」といった目標が掲げられますが、伸張している外資では「前年比数十%増」のような高いターゲットが設定されます。それにチャレンジすることが経営者の仕事。だからこそ、成功報酬も含めたリターンとして高額なインセンティブがあるわけです。
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『TIME』の表紙に何度もなっているジェフ・ベゾス氏。画像は2013年12月、ドローン配送の構想を発表した頃

――でも、挑戦して大失敗したら、それこそ大ごとでは? 星:アマゾンなんて、ジェフ・ベゾスが創業した1995年から数年間、毎年何百億円もの赤字を出し続けていました。それでも莫大な資金を調達し、9年後にはやっと黒字化して、その後、目標だった「売り上げ1000億ドル(約11兆円)」も2015年に実現し、さらに、そのわずか3年後の2018年には20兆円を超えたんです。 これは経営だけでなく投資スタイルも関係しています。日本は投資額が海外に比べたら小さいし、すぐにリターンを求められてしまう。大きな仕事ができず、短期の戦略にならざるを得ない。 しかし、海外では大きなチャレンジによって投資家を呼び込むことができるし、投資家も結果を待てる。 ――規模感がぜんぜん違いますね。 星:ひとことで言えば、日本は企業も投資家も「チマチマ病」に陥ってしまっているように感じます。 ――「チマチマ病」……感覚としてよくわかります……。
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日本一のトヨタでさえ、世界では43位
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アマゾンジャパン元経営会議メンバーが解き明かす、アマゾン成功の理由と徹底戦略!

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