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コロナの影響で延期が続き…誰もこない展示室で立ち尽くす2メートル超の長身仏像

 新型コロナウイルスの影響は、各所に大きな影響を及ぼしている。特に観光を中心的な資源としている地域への打撃は大きい。都内では上野が顕著だ。  毎年これからの時期、上野公園での花見客は黒山の人だかりになるが、今年は東京都からも花見自粛のお達しが来ており期待ができない。さらに、上野動物園や美術館・博物館も休園や休館を余儀なくされている。

休館がつづく東京国立博物館

 東京国立博物館も政府の要請により2月27日から3月16日の期間を臨時休館とした。その期間中である3月13日から始まる予定であった特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」も開始できない事態になったが、残念ながら数日の後ろ倒しになったものの17日からの再開に向けて準備を進めていた。しかしそこに飛び込んできた、休館延長の要請。さらに延長は期間の指定がなく、いつになったら開けられるのか、目処が立たない状況になってしまった。

誰もこない展示室で待つカリスマ……

法隆寺金堂壁画と百済観音

「法隆寺金堂壁画と百済観音」が報道陣向けに公開された

 しかし、法隆寺からは同展に出品される文化財がすでに運び込まれている。誰もいない展示室で、いつはじまるかわからない会期を、国宝の仏像がひたすら立ち尽くして待っているのだ。本来の開始日程を数日過ぎたある日、報道陣のみに向けてこの展示が公開されることとなった。
法隆寺金堂壁画と百済観音

像高209cmの「観音菩薩立像(百済観音)」

法隆寺金堂壁画と百済観音 法隆寺金堂壁画と百済観音 暗い展示室の中心に立っていたのが、今回の特別展の目玉のひとつ国宝「観音菩薩立像(百済観音)」だ。台座から立ち昇るようにスラリと伸びた頭身が印象的で、像高は209cmにもなる。杏仁形(アーモンド形)に彫られた目や、飛鳥など古い時代の仏像の表情に特徴的な「アルカイックスマイル」と呼ばれる独特の微笑みを湛えている。深い瞑想に入っているその表情や、人間だとしたら異様なはずなのに、なぜか美しいバランスに見えてくるそのフォルムから、カリスマ性が溢れ出す。学術的にも、古い時代の記念碑的存在と位置付けられている仏像だ。
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