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仏像マニアの女子大生アナ「好きなタイプは毘沙門天像似の男性」

 久保沙里菜さんという女性がいる。彼女の肩書きは仏像マニア女子大生アナウンサーという、かなり渋滞したキャラクターだ。
 そんな彼女に直接話を聞くと、その清廉な見た目からは想像もつかない、マニアックな衝動が噴出してきた。

二宮金次郎マニアだった子供時代

久保沙里菜さん

久保沙里菜さん

――まず、女子アナウンサーということですが、どういった活動をしているんですか? 久保沙里菜(以下、久保):私、静岡出身でして、静岡の情報番組のレポーターをレギュラーで出させていただいたり、イベントや企業のパーティーの司会などをやらせていただいています。 ――普通のアナウンサーの仕事ですね。アナウンサーの肩書きに「仏像マニア」とついていますが、仏像にハマったきっかけは? 久保:7歳の頃に、家族で京都旅行に行ったんですね。そこで三十三間堂に入って、ズラーっと並ぶ1001体の千手観音に衝撃を受けたのが最初ですね。 ――ご両親も、お寺や仏像がお好きなんですか? 久保:そういうわけでなく、普通の京都旅行の観光地の一つとして行ったんですよ。 ――子供はお寺などあまり喜ばないイメージがありますが。 久保:元々「像」が好きで仏像に出会う前は、二宮金次郎マニアだったんですよ。 ――二宮金次郎マニアって(笑)。 久保:二宮金次郎が大好きで、幼稚園の頃に近所の小学校に二宮金次郎を見に行ってました。そして、石屋さんに売ってあるのを見つけて、そこの社長宛にお手紙を何枚も書きまくって、祖父にも頼み込んで買ってもらいました(笑) ――幼稚園生が二宮金次郎像を買ってもらったんですか?(笑) 久保:そうです(笑)50cmくらいの大きさの石像なんですけど、今でも実家の庭にいます。今でも二宮金次郎、好きです。 ――変わった子供だったんですね。 久保:小学校の時は、友だちに仏像が好きだって話したら「キモい」っていわれて、長年誰にも話せなくて秘めてきました。なので、買ってもらった仏像の本をずっと眺めて、会いたい仏像のページに付箋を貼ったりしてました。そして、地元静岡から近いお寺へ連れて行ってもらったりしてました。

アルバイト代で仏像を買う

――その中で出会った仏像で衝撃を受けたものはありますか? 久保:横須賀の浄楽寺に連れて行ってもらって、そこで初めて運慶の仏像を見たんですよ。小学校中学年くらいで、「こんなかっこいい仏像がいるんだ」って思って、さらにハマりこみましたね。 ――自分のお金で行った初めての仏像旅行はいつですか? 久保:高校まで実家暮らしでいろいろ厳しかったので、大学に入ってからですね。最初は、奈良の興福寺に行きました。 ――友だちと? 久保:いえ、ひとり旅です。基本一人なんで(笑)あと、そのころからようやく仏像が好きだって言えるようになって来ました。SNSの発展で同志がいるっていうこともわかったので。それからは「若い世代の人にも、お寺や仏像に興味を持ってもらいたいな」って思うようになりました。 ――アルバイト代も仏像旅行につぎ込んで。 久保:そう。仏像を見に行くか仏像を買うか。 ――買う?仏像って買えるんですか?
久保:そうですね。家庭に置くインテリア仏像のお店とか、お寺のお土産物屋さんですね。伊勢に旅行に行った時に、仏像を売っているのを発見して、そのまま買って帰りましたね。家に置いて、お香を焚いて、あとは照明を自分で調整して「この角度が一番カッコよく照らせる!」って研究してます。 ――自宅本堂化計画(笑) 久保:最近は、仏像を入れる厨子(ずし)が欲しいです。仏像を入れておいて普段は閉めてるんですけど、ご開帳日を自分で決めて、その日だけ開けるみたいなことをしたいです(笑)
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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