更新日:2023年05月24日 15:27
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AV男優しみけんが語る仕事論「プロの正常位は肩が動かない」

AVはファンタジー

――本で書かれていた「時間を止めるシリーズ」(注:時間が止まった世界で女性にイタズラしたりする企画物の定番)の時計の設定が違うって話が初耳でした。 しみけん:裏設定なんですよ。メーカーによって「時間を止める」の定義が違う。Aというメーカーは時間が止まっている間は女性の記憶もない。Bというメーカーは体の自由はきかないんだけど、意識だけははっきりしている。Cというメーカーは見えてもないし記憶もないんだけど、時が動き出したら、イタズラされてた時の余韻がバーッとでる。特に説明もないんですけど、台本にはすっごく細かく書いてあります。「止まってる時、相手が見ている記憶はあるから、そこは意識して動いてください」とか。 ――どう変えてるんですか? しみけん:動いたときの女優さんの表情が出るようにしてます。例えば「意識がある」って設定であれば、ケツの穴を見せる。止まってる人に見せてもしかたないけど、意識がある中で体動かない人にケツの穴を見せられたら、感情がたまりますからね。そういうことはしますよね。でも、話のネタになるからそういう面では好きですけど、実際のSEXのプレイとしては好きではないですよね。現実でありえる設定ではないので(笑)。 ――「AVはファンタジー」というわけですね。この「AVはファンタジー」という言葉。しみけんさんが再三提言しているせいもあってか、AV男優のプレイを猿マネする男性も減ってきたように思います。 しみけん:「激しくすれば気持ちいい」とAVをうのみにしている男性が多いと同時に、手マンを怖がる被害者も多く生まれています。もちろん、参考にできるプレイもあるんですけどね。例えば「大物単体女優さんのデビュー1発目の絡み」。デビューの絡みは女の子の素の表情を引き出そうとするので無理はさせず、参考書のような絡みになります。演技か演技じゃないかは女優さんの目、目線を見ればわかります。いいSEXって振り返ると目を見つめあってるんですよ。アイコンタクトがあるわけです。女性の興奮度合いは目と手に現れるんですよ。興奮しているとやっぱり相手を掴みますから。首相撲みたいに。 ――ガシガシ激しくプレイしているように見えて、そうではないと。 しみけん:男優は視覚的におっぱいの揺れが映えるように、聴覚的に激しい音が出るように工夫をしているだけで、本当にハードピストンをしているわけではありません。ポイントがズレてしまいますから。また、手マンにしても、男優は膣の中に指を入れたとき、「気持ちのコネクト作業」をしています。ラジオの周波数をチューニングするように指先に神経を集中させているわけです。僕もそうですが、指先の感覚が鋭くなったせいか、トップ男優の6人中5人が「猫手」で熱いお茶を持てません。最近観た『ザ・ファブル』という映画でも同じシーンがあって。超やり手の殺し屋がアツッてなるんですよ。それを観た先輩が「神経が研ぎ澄まされてる証拠だ、素晴らしいね」と言うんですけど、これ、男優と一緒じゃんって(笑)。 ――まさに職業病ですね。指先が繊細ってことはSEXのうまさに繋がると。 しみけん:料理人とかもうまいと思いますよ。あと、総じてアスリートはうまいでしょうね。どの運動、スポーツについてもいえますが、いい選手というのはフォームが決まっていて、対象に対しての力の加え方を体が知っています。SEXのうまさを測る指標として「肩が動かない」ってのがあります。正常位のとき、肩は動かずに腰だけが動くのが理想ですが、体重の重心移動やバランス感覚に優れた人ほど、正しい体の使い方をできるのだと思います。  知られざるAV業界の裏事情から、性とSEX、そして合コンでの口説き方のハウ・ツーまでが網羅された、しみけんの集大成ともいえる本書。ぜひ、一読してほしい。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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AV出演本数1万本超、もはや「しみけん」といえば「AV男優」の代名詞である。 高校生の頃にAV男優を志すものの、なぜか飛び込んだのはゲイ業界。その後、「君、うんこ食える」?という1本の電話をきっかけにAV男優となってから22年。いまや押しも押されぬトップ男優がディープにAV業界を解説する。

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