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新型コロナ影響で、AVの撮影現場でスタッフは疲労困憊していた

 新型コロナウイルスが日本経済を食いつぶそうとしている。中でもAVや風俗などアダルト産業は苦境に立たされている。しかし、そんな暗澹たる状況下でも必死に抗っている人たちがいる。業界では今、一体何が起きているのか。当事者たちを直撃。
アダルト業界の阿鼻叫喚

※写真はイメージ

コロナよりお金!? 無頓着な現場の恐怖

 終息の見えない新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務や外出自粛が要請され、家で暇を持て余す中年男性は少なくない。そんな中、カナダに本拠地を置く世界最大のアダルト動画サイト「Pornhub」は3月24日(現地時間)、有料サービスを4月23日まで無料提供すると発表した。その結果、3月21日に全体の1.1%だった日本からのアクセス数は、27日には20.1%と急激に伸びた。  かたや日本ではそれより先んじて大手アダルトメーカー・SODが3月13日にアダルトビデオ約200作品を無料視聴できるキャンペーンを実施。アクセスが殺到して即サーバーダウンするほど盛り上がった。“コロナ失職”“コロナ倒産”などと叫ばれていても、ダウンロード数が伸びているアダルトサイトは多く、おじさんたちは相も変わらず“エロ”に群がっている。  だが、それら動画の大元であるAVの撮影現場でスタッフは疲労困憊のようだ。人気AV男優のしみけん氏は現場の様子をこう語る。 「大人数が密集する電車やバスでの撮影、何人もの汁男優がぶっかけする現場はバラシになっていますね。ある大手メーカーはゴールデンウィーク明けまでの撮影自粛を決定しました。すでに収入が途絶えて、アルバイトを始めた男優もいます」  AV撮影では“超濃厚接触”が避けられないからこそ感染リスクを軽減する対策が徹底されている。 「女優は撮影前とお昼すぎの一日2回、男優を含めたスタッフ全員は撮影前に検温し、撮影中は演者以外みんなマスクを着用しています。また、ワンシーンごとに手洗い、うがい、アルコール消毒を徹底。手を頻繁に洗うから指の第一関節が擦り切れ、痛みに耐えながら手マンをしているAV男優もいるほどです。  あと“換気が大切だね”とドアを開放して撮影したら、女優の喘ぎ声が外にダダ漏れに。慌ててドアを閉めるスタッフの姿に現場では笑いが起きました」  ティッシュやトイレットペーパーが品薄になり、資源の大切さを実感する機会が増えたという。 「今まではパパパッと取っていたティッシュ。『お前、ちんこが小さいからな』と渡された1枚のティッシュを何度も折り畳みながら精子を拭き取った日もありました」  また、保管場所に鍵がかけられ、備品を自由に取り出せなくなった。 「あるとき、うんこを済ました後、トイレットペーパーが残りわずかなのに気づき、紙を人さし指にグルグル巻きにして拭いたら手にうんこがつくわ、拭き切れないわで、シャワー室に駆け込んで洗い流しました」  現場はコロナウイルス以外に気を配る余裕はなかったようだ。 「でもそんな苦労も、政府の緊急事態宣言をきっかけになくなりそうです」

当日の撮影中止によるキャンセル料がゼロに

 政府は4月7日に緊急事態宣言を発し、「仕事は原則自宅で」と各企業に要請した。これを受け、「すでに台本が完成して撮影が決まっていてもバラす現場が出てきています」と話すのは、某大手メーカー専属のAV監督。 「撮影してから3か月後に作品としてリリースするのが一般的ですが、このままだと初夏以降の売り上げが見込めない。専属女優との現場では、これまで前日バラシは半額、当日バラシは全額のギャラを男優を含めた社員以外のスタッフに支払っていましたが、今はもうその体力がなく、泣いてもらうしかありません」  大手メーカーでは、専属のAV女優と絡む男優の選別にも慎重だ。 「女優から“コロナ感染が怖いから絡みたくない”と言われると、現場をバラさないといけません。直接現場に車で来るのと違い、電車移動のAV男優はコロナの感染リスクが高いので、基本的に依頼するのは避けるようにしています」
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コロナ感染リスクよりコロナ失業に戦々恐々
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AV出演本数1万本超、もはや「しみけん」といえば「AV男優」の代名詞である。 高校生の頃にAV男優を志すものの、なぜか飛び込んだのはゲイ業界。その後、「君、うんこ食える」?という1本の電話をきっかけにAV男優となってから22年。いまや押しも押されぬトップ男優がディープにAV業界を解説する。

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