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北朝鮮「金正恩体制」崩壊後のシナリオ 妹・与正氏が政権引き継ぎか?

妹・与正氏が政権を引き継ぐ準備はすでに整っている?

実妹・与正氏

実妹・与正氏

 さらに、金委員長の実妹・与正(ヨジョン)氏への権力移譲が進んでいるとも見られている。朴氏が続ける。 「金委員長は自らの健康不安から、不測の事態に備えて与正氏を重用する方向で動いている。彼女は1年前の米朝首脳会談の失敗で一度は政治局委員候補を解任されたが、12日の最高人民会議で“党の中の党”と言われる組織指導部の第1副部長に返り咲いています。  ただ、封建的な北朝鮮の党幹部は、女性でなおかつ軍務経験もない与正氏では納得しないはず……。となると、白頭血統の与正氏をトップに戴きながら、党の常任委員2人や政治局委員らが支える集団指導体制を採る可能性が高いでしょう。  だが、金委員長が死亡していたとしてもすぐに発表することはない。金日成主席が亡くなったときその事実は30時間以上伏せられましたし、金正日総書記のときも50日以上公にされませんでした。北朝鮮のような独裁国家では、後継者が軍部や党を掌握してから先代の指導者の死を発表しないと、クーデターが起きかねないですから」  クーデター、大量の難民流出、北が保有する核兵器の管理……等、体制崩壊が現実味を帯びてくれば、問題が噴き出すのは必至だ。「重篤説」の真偽はいかほどのものか? 金委員長の動静が注視される。

在韓米軍と韓国軍による作戦計画5029と5027

 中国が分割統治を目論んでいる一方、米国は逸早く北朝鮮の核を除去しつつ、軍部や国民の蜂起を抑えることになると見られている。これは、米韓の作戦計画5029や5027で立案済みだ。実際に体制崩壊となった場合、朴氏は「分割統治を担う複数の国で6者協議のような枠組みがつくられるのではないか」と分析する。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/EPA=時事 AFP=時事> ※週刊SPA!4月28日発売号より
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表紙の人/ 西野七瀬

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