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大谷世代の光と影。あのドラフト5球団競合投手は今…

 ファン待望のプロ野球がいよいよ開幕。そのプロ野球界で現在最も注目を集めているのが、メジャーリーガー・大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)を頂点とする、いわゆる“大谷世代”だろう。94年から95年かけて生まれた彼らは現在25、6歳でまさにチームの主力となるべき年齢に差し掛かっている。  その筆頭格が大谷と同じ12年のドラフトで広島東洋カープに2位で入団した鈴木誠也だ。昨シーズンオフには外野手として4年連続のベストナインに選ばれるなど、今や完全に球界の顔となっている。  そこで今回は“祝・プロ野球開幕”も兼ねて、今後ますますの期待がかかる大谷世代の選手で鈴木誠也を除く活躍度トップ3の選手と期待されながら、いまだに実力を発揮出来ていない少し“がっかり”な残念選手2人をご紹介。ここに大谷世代の光と影がある。

鈴木誠也次ぐ大谷世代の出世頭 田村龍弘(千葉ロッテマリーンズ・捕手)

 今や千葉ロッテの不動の正捕手・田村龍弘。高校時代から強打の捕手として鳴らした田村は光星学院(現・八戸学院光星=青森)を甲子園3大会連続準優勝に導き、’12年のドラフトで千葉ロッテに3位で入団。すると高卒2年目の’14年シーズンで早くもチームの捕手では2番目に多い47試合出場を果たす。  翌’15年は117試合出場を果たし、盗塁阻止率も12球団No.1となる4割2分9厘を記録。続く’16年も6月に月間打率4割をマークして、パリーグの捕手としては12年ぶりとなるパ・リーグ打者部門の月間MVPを受賞するなど、完全にチームの正捕手の座を掴む形となった。’18年には球団の捕手では49年ぶりとなる全試合出場を果たし、規定打席にも到達(打率2割3分9厘)。鈴木に次ぐ大谷世代の出世頭と言える存在となっている。

ドラゴンズ不動のショートストップ 京田陽太(中日ドラゴンズ・遊撃手)

京田陽太

画像:中日ドラゴンズ公式サイト

 2人目は大谷世代を代表する内野手・京田陽太だ。高校から日大を経て’16年のドラフト2位で中日に入団すると、’17年のプロ1年目からショートのレギュラーで141試合出場。打率も2割6分4厘をマークしただけでなく、セ・リーグの新人選手としては当時、歴代2位となるシーズン149安打を放ち、新人王を獲得している。  続く’18年は全143試合出場を達成、打撃不振に苦しみ,打率こそ2割3分5厘に留まったが、シーズンを通してのエラーはわずかに6。守備率9割9分1厘という好成績でリーグ規定のショートの中で1位に輝いた。  こうして2年続けてある程度の結果を出したことで、昨年から背番号が51から1へと大出世。その’19年は140試合で打率2割4分9厘ながら、守備率は2年続けてリーグトップとなる9割8分5厘をマーク。盗塁数も3シーズンで60盗塁に達している。走・攻・守三拍子が揃った京田は今や紛れもない中日の主力選手だ。

カープの穴を完全に埋めた新鋭 西川龍馬(広島東洋カープ・外野手)

 大谷世代3人目の出世頭もやはり野手。新人王やタイトルホルダーではないが、今やチームの主力として欠かせない存在となった広島の西川龍馬を挙げたい。  高校から社会人の王子製紙春日井を経て’15年のドラフトで5位指名で入団。するとプロ3年目の’18年には主にサードを任されるなど、107試合に出場している。さらに規定打席には達しなかったものの、打率3割超えをマークし、一躍チーム期待の若手野手となったのだ。翌’19年にはFAで巨人に移籍した丸佳浩の後釜として外野にコンバートされると、27試合連続安打を記録するなど、完全に覚醒する形となった。  7月には月間4本の初回先頭打者本塁打を放つ大活躍でセ・リーグ野手部門のの月間MVPを獲得したほどだ。 結局、昨年は打率2割9分7厘、16本塁打、64打点をマーク。前半戦は鈴木の後を打つ5番に座ることが多かったが、後半戦は1番打者に定着。今季も鈴木と並んでチームのキーマンとして大暴れすること、必至だ。
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田中正義、佐々木千隼の現在地
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