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『ワンピース』のルフィはなぜ売られたケンカを買わなかったのか?

 この時のルフィの心情は「お手本」です。ルフィは幼い頃から「海賊になりたい」と考えており、シャンクスはそのルフィがなりたかった海賊そのものでした。このように誰かに自分を重ねることで、やる気は引き出されます。  特にルフィの場合、シャンクスは命の恩人でもあります。命の恩人の言葉や行動は強く心を揺さぶり、どう考え、どう行動するかの基準になります。「海賊としてのお手本」と「命の恩人」という二重の影響があるからこそ、ルフィはシャンクスと同じような状況に置かれた時に、同じような行動を取ったのです。  ルフィがシャンクスに助けられたのは、空島編でベラミーと戦う11年前の出来事です。『ワンピース』はフィクションですが、人物の影響は現実でも同じように、年単位の時間かけて深く作用します。それはつまり、「自分がいつ、誰に、どんな影響を受けたのか」を知れば、自分がどんな行動を取るのかがわかるということです。  このように「自分」は他人の影響によってできています。私たちは時として正解のない問題に直面し、「あなたはどうしたいのか?」と突きつけられることがあります。そんな時は、憧れの人、尊敬している人、感謝している人、恩人の言葉や行動を思い出してみてください。きっと、その言動が自分自身で納得できる答えになってくれるはずです。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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