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大学生時代の孫正義が「コンピュータ業界」に目をつけたワケ

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第208回
コンピュータ

※写真はイメージです

 ソフトバンクグループの創業者である孫正義が最初に手がけたビジネスは、アメリカ留学中に発明したポケットコンピュータでした。このポケットコンピュータがシャープに認められ、19歳にして1億円を超える契約金を手にします。  この契約金を元手に始めたのが、ソフトバンクの前身となるユニゾンワールドです。ソフトバンクはインターネットインフラ事業者として有名ですが、創業当初は『Oh! PC』『Oh! MZ』というコンピュータ専門誌を出版していました。その後、アメリカの企業を買収して、その技術やサービスを日本に導入する「タイムマシン経営」を考案すると、破竹の快進撃が始まります。  このように孫正義の人生はコンピュータと共にありました。彼はなぜコンピュータに目をつけたのか。やる気を引き出すのは常に「人物の影響」です。「あの時、あの人が、ああ言ったから」ということがあると、「だから自分はこうしよう」と考えて行動できるようになります。孫正義に影響を与えたのは、実業家の藤田田です。  藤田田は日本マクドナルドを創業した人物です。彼が自分のビジネス論を記した『ユダヤの商法』(ベストセラーズ)は孫正義が紹介したことで注目され、一時は数万円のプレミア価格で取引されていました。  孫正義はこの『ユダヤの商法』を高校時代に読んで感銘を受けて、藤田田に面会を申し込んだと言います。その時に教わったのが、「私が若ければ、食べ物の商売をしないで、コンピュータに関連したビジネスをやると思う」というアドバイスでした。  この時の孫正義の心情は「お手本」です。彼はアメリカに留学する前から、「事業を起こしたい」と考えていました。事業で身を立てたかった孫正義が、実際に事業で身を立てた藤田田に「自分ならこうする」と言われて、その通りに行動する。このように自分を誰かに重ねることで、やる気は引き出されます。  自分を重ねる相手は誰でもいいわけではありません。孫正義にとって、藤田田は自分が目指している分野ですでに成功している「憧れの人物」あるいは「尊敬できる人物」です。だからこそ、相手の言葉に心を揺さぶられて、やる気が引き出されたのです。
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人の影響は具現化する
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