弟の誕生が「悲劇の始まり」…父から性的虐待、母から暴力を受け続けた29歳女性。悲惨な“家庭内イジメ”の実態
本来子どもの成長において、親の存在は必要不可欠。ただ、子どもに悪影響を及ぼす“毒親”と呼ばれる親もいる。この言葉は世間に浸透しつつあるが、実態を知るものはどれだけいるだろうか。
両親に強く男の子を望まれながらも、女の子として生を受けた まなみさん(29歳)は、生まれた瞬間からネグレクト・虐待を受け続けていた。
まなみさんが3歳の頃に生まれた弟によって、彼女はより多難な人生を極めることになる。溺愛の弟の手を握りしめた母親は、まなみさんが必死な想いでさし出した手を振り払い、決して握ることはなかった。
両親による身体的・精神的虐待、そして父親からは性的虐待の日々。「あの家族の中で、私だけが人権がありません。虫けらです」そう淡々と話す彼女の話に耳を傾ける。
まなみさんは、和歌山県和歌山市に生まれた。「両親はとにかく男の子を授かりたかったようです」と話す。
「両親から大切にされているなんて思ったことないですね。むしろその逆です。まだ赤ちゃんだったころ、車が揺れた拍子に頭をぶつけて泣き出したことがあったらしいんです。そのときも徹底的に無視をしていたと親戚から聞かされたことがあります」
まなみさんが生まれて3年後、両親にとって待望の男の子が生まれた。それが悲劇の始まりだったという。例を挙げればキリがないようで、弟が病院で騒がしくすれば、小学1年生の彼女がビンタされ、二の腕をつねりあげられ、怒鳴られた。
「もはや、暴力を受ける理屈はわかりません。話が通じる人ではないので……。ただ、以前親戚に母が話しているのを聞いてしまったんです。『弟はかわいいから、いくら悪さをしたって殴られへんやん? だからあいつを身代わりにさせてんねん。いい気味やし』と言ってました。論理の破綻具合は両親ともそんな感じです。話を聞いている親戚も聞き流しているようでした。親族にもまともな人はいません」
たまたまイライラした親の八つ当たりとは次元が違う。もはや、人間の扱いではない。
「私を殴っていい理由の通り、母は、いや両親ともに話が通じません。待望の男の子として生まれた弟は、あらゆる場面で私より優遇されていました。大学進学を希望した私には高卒で働けと迫り、弟には大学進学をさせました。それに、弟はやりたいスポーツの遠征費10万円などを何度も払ってもらっていましたが、私は『やりたい』と言えば何が飛んでくるかわかりません。他にも、弟は当たり前に払ってもらっていた中学生からの筆記用具や部活の必要備品などは、全部自分でお年玉などから払っていました」
また、当時インフルエンザで39度の発熱をしている彼女に対し、部屋の物もクローゼットの中身もゴミ袋に投げ込まれ、「戸籍を抜くからお前なんて出て行け!」とヒステリーを起こされたこともあったようだ。まなみさんは、そんな母親について「おそらくアルコール依存症だったと思います」と続ける。
「仕事から帰るとすぐに飲み始めて、酔い出すと冷蔵庫の中を荒らして、お皿がひっくり返って中がぐちゃぐちゃ。そのそばで死んだように眠っていたり。些細なことでヒステリーを起こし、父に告げ口し、他人の怒声は今でもトラウマです。父は父でギャンブル狂いでした。自営業で建設業を営んでいましたが、多分全然儲かってなかったんだと思います」
悲劇の始まりは「弟の誕生」から
学生時代は「何もできない」状態
会社員兼ライター、30代ワーママ。世の中で起きる人の痛みを書きたく、毒親などインタビュー記事を執筆。
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