20代前半のころ「薄毛を隠していた」男性が、“隠さなくなってから”気づいたこと
薄毛に対して抵抗感がなく、むしろ好意的に捉える国も世界には存在するようだが、こと日本に限ってはそうではないように思う。多くの男性の悩みのタネになっており、お見合い相談所やマッチングアプリで「薄毛NG」という条件を出す女性も珍しくないと聞く。実際に薄い人はもちろん、今はまだフサフサでも、いずれくるかもしれない不安に苛まれている男性も多いのではないか。
比較的若い段階で薄毛になった「レジェンド氏」は、YouTubeやSNSで自身の体験談や対策について投稿する人物だ。同氏に、薄毛との付き合い方と向き合い方を聞いてみた。
現在32歳のレジェンド氏。髪の毛が薄くなってきたと感じ始めたのは、美容学校に通う学生時代だった。
「20歳くらいで『周囲と比べて薄いのかな』と気づいて。当時はまだ若かったこともあって、さほど不安ではなかったんですが、あっという間に減っていってしまい……。23歳の時点で『自分は薄毛なんだ』とはっきり自覚しました」
のちに美容皮膚科にて検査をした際、彼の身に降りかかった不幸な出来事こそが、薄毛の大きな要因ではないかと医師に言われたという。
「21~22歳の時、詐欺にあって1000万円ほどの借金を抱えてしまいまして。まさに薄毛化が進んだ時期と重なります。借金でのストレスが大きな原因かなと思っていましたが、お医者さんに言われたことで確信しましたね」
美容師であったため、髪のセットはお手のもの。途中まではバレない程度に隠すことができていたようだ。とはいえ、突然強い風が吹いたものなら、せっかくの努力も水の泡だ。薄毛を隠す際には、ほかにも“天敵”が存在するらしい。
「風もそうですが、何より汗ですね。アイロンを使ってセットしていたんですが、汗をかくと一気に崩れて、まるで落ち武者のようになってしまうんです。さらに言えば、水分そのものでしょうか。プールや海に誘われても絶対に行きませんでした」
「うまく隠せていた」と話すものの、心中は穏やかではなかった。
「電車の中で笑っている女子高生がいると、『僕のことを笑ってるんじゃないか』という気持ちになることもよくありましたし、実は周囲にはバレていて陰で笑い者になっているんじゃないかとも思っていました」
疑心暗鬼の状態から抜け出し、薄毛であることを堂々と発信するようになったのには、あるきっかけがあった。
「今のチャンネルを始める以前、学生時代の友人と3人でYouTubeチャンネルをやっていて、メンバーから『お前の髪が薄いネタ、面白いから出してみれば?』と指摘されました。試しに同時並行で運営していたTikTokで投稿してみることに。明らかな薄毛の状態をセットして隠していく内容だったんですけど、数百万再生されて。その時に『気持ち悪い』ではなく、『すごい!』『カッコいい!』といったポジティブなコメントが数多くあり、勇気をもらえました。そこから、『髪の毛で魚を釣る』といった薄毛のネタを投稿するようになりました」
「薄毛」とはっきり自覚したのは23歳のとき
「隠していた時代」は疑心暗鬼の状態が続いた
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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