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第572回 9月19日「アダムとイブ以来の進化を」

・つい数ヶ月前まではみんな「いつかこの厄災が去ったら笑いあおう」って言ってましたけど甘かったですね。この厄災は、去らないみたいです。 ・ワクチンさえできればハイ解決ではない。ワクチンの効果は完全ではないし、終生免疫を獲得するのは不可能と言われている。つまり新型コロナは流行を繰り返す。我々が毎年苦しめられているインフルエンザのような季節性感染症として定着する。今後も、今と同じ状況が延々と続く。たとえばワクチンを注射しても、翌年にはまた打たなくてはならない。しかも半分くらいの人には効かない。そんな状況だ。 ・インフルエンザとの違いはある。冬に限らず1年じゅう流行が続くことと、毒性がきわめて高いことだ。特に老人の致死率が高い。若い人にとっては、インフルエンザより怖くない。30歳以下の致死率はゼロに近い。 ・30歳以下の人がワクチンを受けるのは自分のためではないということになる。ウィルスを運んで老人にうつさないためだ。もしワクチンが安全なものでなかったら、若者が老人が生き延びるための犠牲となるわけだ。 ・こういうことを踏まえて今後どう生きていくか。開き直ってアクティブに生きる方法はある。オリンピックを強行しても、街を解放して交通を稼働しても、マスクをやめてしまっても、人類は滅亡しないだろう。ただしその場合は、平均寿命がぐっと下がることを覚悟する必要がある。人類に与えられた寿命はせいぜい50年だと、割り切るのだ。現実的にはそれがなかなか難しい。今の老人の、生命に対する執着がすさまじいからだ。 ・残る道は一つ。今、イレギュラーな、テンポラリーなものとして受け入れているこの新しい暮らし方を永久的なものにしていくことだ。 ・たとえば、マスクは「顔パンツ」として定着させる。冗談でなく、顔をさらすことは「下品」とされるモラルを醸成するのだ。これは人類にとって。アダムとイブが下半身を隠して以来の変化となる。 ・そもそも、顔くらい卑猥なものはない。また、個人情報のかたまりである。しかも、ものすごく不潔である。あんなものを白昼堂々とさらしながら生活していたなんで、人類どうかしていたのである。今後は公衆の場でのマスクはパンツと同じくらい当然のことになる。脱いだら変態、即逮捕だ。 ・あるいは、人の移動をできる限り無くしていく。観光もエンターテインメントも男女交際もバーチャル体験で代用する。仕事も行政サービスも選挙も99%はオンラインで行う。 ・経済活動のオンライン化とハイファンクショナル化はよほどうまくやらなければ、世界がばらばらに寸断され、日本も鎖国に近い状況となり衰退していくことになる。多和田葉子さんの小説『献灯使』のように。しかし、テクノロジーの活用によってこの先を進歩させていくことは可能だろう。たとえばオリンピックは続けられないかもしれないがeスポーツの祭典をそれに代える。リアルのテーマパークや商業施設あるいは各種イベントを、バーチャル空間に再構築する。こういった動きを牽引するのは間違いなくゲーム業界だろう。すでにたっぷりノウハウを持っているのだ。 ・ゲーム業界最大のイベント「東京ゲームショウ」も今年はフルオンラインで開催される(9月24日~27日)。会場に数十万人を集める例年の形式のあくまでも代替として企画されたものだが、これがゲームのショウイングイベントを進化させるモデルケースとなることを期待する。 ……………………………………………………………………………………………… ※この話題「アダムとイブ以来の進化を」のライブトークVer.はこちらです↓
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。
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