仕事

Uber Eats配達員の小さな喜び、女子高生の客から「ありがとう」

 僕は普段、日雇い派遣などのしごとで稼ぎつつ、時間を見つけてはタイなどの東南アジアを中心に旅してきた。この状況では海外旅行には行けそうにないが、日本国内ならば比較的自由に動けるようになってきている。旅がしたい。でも、社会の底辺で生きる僕にはお金がない。そこで「Uber Eats」の配達で稼ぎながら国内を自転車で旅するという方法をとることにしたのである。

配達先は高校、女子高生の笑顔に癒される

織田信長

名古屋の街中で織田信長の像を発見

 旅に出て16日目、僕は名古屋にいた。午前9時頃に自転車でゲストハウスを出て配達を開始。配達リクエストは名古屋駅の周辺でポツポツと入り続けた。しばらくして商品の配達先が高校になっているリクエストが入った。店で商品を受け取ったところでお客さんからこんなメッセージが届く。 「配達お疲れ様です。車に気を付けて安全運転でいらしてください」  ウーバーの配達でこんなに丁寧なメッセージをもらったのははじめてのことだった。僕はお礼のメッセージを返してから配達先の高校に向かった。おそらく注文したのは高校の先生だろう。きっと生徒にも優しい良い先生なのだろうな……。そう思っていたのだが、僕のその予想は見事に外れた。  その高校の入り口で僕を待っていたのは制服姿の女子高生4人組だったのである。きゃあきゃあと黄色いを声をあげて僕を取り囲み、僕から注文した弁当を受け取る。そして声をそろえて礼を言った。 「ありがとうございました!」  そのかわいらしい笑顔に疲れが癒される。彼女たちが立ち去ってからも僕はしばらくその場に佇み、空を仰いで「名古屋、ちょっといいかも……」なんて感慨に浸った。

食べ歩きしたくなる大須商店街

大須商店街

食べ歩きするのにぴったりの大須商店街

 17日目は名古屋駅近くの大須商店街を攻めてみた。自転車から降りてさまざまな飲食店やショップの建ち並ぶ通りをぶらぶらと歩く。みたらし団子の店に長い行列ができていた。通りにまで漂ってくる香ばしい匂いに食欲をそそられ、その店のほうにふらふらと引き寄せられる。が、買うのは我慢した。食べ歩きに来ているわけではないのだ。  しばらくして配達リクエストが入った。商品の受け取り店舗はこの商店街にある「やっぱりステーキ」。沖縄発の溶岩焼きステーキのチェーン店である。こ、これも食べたい。溶岩石プレートで提供されるという肉にかぶりつきたい……。が、これは沖縄にゴールしてからの楽しみに取っておいたほうがいいだろう。それにしても、この大須商店街にいるとずっと食欲を刺激されっぱなしである。  泊まっているゲストハウスの主人によると「名古屋はあまり鳴らない(配達リクエストが入らない)」ということだったが、この2日間はそこそこ稼ぐことができた。僕はその稼いだお金で宿泊を4泊延長した。
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土曜日はおそろしく配達リクエストが少ない
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