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「転職のカリスマ」2人が語るウィズコロナ時代のキャリアアップ術

 転職において「35歳限界説」がささやかれていたのは昔の話。いまや40、50代の転職も増え、「定年まで1社で働く」というキャリアプランを描く人はほぼいないのではないか。新型コロナの流行以降は転職希望者がさらに増えている。将来不安の表れなのか、DODAによれば、2020年9月の転職希望者数が前月比105.4%、前年同月比111.4%に伸びているそうだ。  とはいえ、ただでさえ雇用情勢が怪しいこのタイミングで場当たり的な転職をするのはリスクも高い。これからの時代に「転職を活用してキャリアを築く」には、どのような戦略が必要になるのか――。そこで今回、実際に転職で道を切り開き、SNSを中心に「転職のカリスマ」として支持されている2人の人物によるクロストークを実施した。
moto×たいろー

たいろー氏(左)×moto氏(右)

 まずはmoto(戸塚俊介)氏。新卒で入社したのは地方のホームセンターだったが、そこからリクルートなど5回の転職を経て、年収を240万円→1500万円まで増やした人物だ。彼が発信するキャリア観や仕事論はSNSで高く支持され、様々なビジネス系メディアにも登場している。これまで実践してきた転職と副業のノウハウを詰め込んだ著書『転職と副業のかけ算』もベストセラーになった。  もう一人の語り手は、たいろー(森山大朗)氏だ。今はスマートニュース社でプロダクトマネージャーとして働く彼は、現在なんと8社目。リクルートを皮切りに、直近の2社はメルカリ→スマートニュースと、いわゆる「上場前で1000億円以上の時価総額を持つ”ユニコーン企業”」で働きながらキャリアップを果たしてきた人物だ。たいろー氏もSNSやブログを中心に、急成長企業への転職やキャリア、働き方に関する知識を発信し、その実践的な内容にファンが増えている。

moto氏とたいろー氏のこれまでのキャリア比較

 実際に転職に成功してきた人の知見こそ、最高の教材になる。気鋭の「転職の論客」2人に、ウィズコロナ時代の転職やキャリアアップの秘訣を語ってもらった。

人材業界で「伝説のサービス」をつくったサラリーマン

――SNSを中心にキャリア論を発信している2人ですが、これまで交流はあったんですか? moto:たいろーさんとは今でこそ飲みに行く間柄なのですが、数か月前に会ったのが初めてでした。僕は8年前からたいろーさんの存在自体は知っていて、SNSを通じてようやく会えたんです。当時、彼が作った「WILDCARD」というサービスがあって、それがとても斬新なサービスだったので彼のキャリアを追いかけていたんですよ。 僕は当時リクルートに在籍していたのですが、「とんでもない人が出てきたな、普通の会社員がこんなサービスを自分で考えてリリースできる時代なのか」と驚いて。その時からずっと彼の存在を気にしていました。 たいろー:光栄です(笑)。もうクローズしてますが、僕にとっては思い出深いサービスでしたね。 ――「WILDCARD」とは、どんなサービスだったんですか? たいろー:簡単に言えば「新卒向けの、”飛び級できる”就活サービス」です。すでに企業からの内定を持っている学生だけが登録できるサービスで、お医者さんのセカンドオピニオンみたいに、他の会社の人事や経営者に気軽に会うことができる仕組みでした。内定を持っている学生はすでにどこかの会社から“お墨付き”を得ている状態なので、他社の選考を受ける際に、いきなり社長面接とか役員面接をまで”飛び級”できるという触れ込みでした。 moto:当時はとてもユニークなサービスでしたよね。賛否がすごかった(笑) たいろー:このサービスを知った企業の人事担当者の意見が、賛否両論バックリ2つに分かれちゃって(笑)。 moto:「ひどいサービスだ!」という声と、「とても便利なサービスだ!」という二極化で、当時の人材業界でも話題になったんですよ。そのサービスを出したのがたいろーさんで。あれはお一人で作られたんですか? たいろー:いや、さすがに外注して開発を手伝ってもらっていましたよ。AWSの設定とかは自分でやってましたけど。WILDCARDは良くも悪くも話題を集めて、僕が離れた後も『日本の人事部HRアワード雇用・採用部門優秀賞』を受賞しました。 その後にサービスはクローズしてしまいましたが、僕はそこでゼロイチでサービスを立ち上げる経験を積むことができて、結果的にビズリーチにスカウトしてもらいました。そして、さらにビズリーチで経験を積んでだことがきっかけで、メルカリに転職することになったので、まさに僕にとっては転機になった仕事ですね。

「圧倒的に採用される人」の条件とは何か?

――motoさんは5回の転職で年収を上げ続けてきましたが、たいろーさんが転職する際に重視するのはどの部分ですか? たいろー:僕は転職で年収が一回落ちるのは許容しています。一度潜っても、結果的に年収が上がってくればいい。ただ、そうなるにはやはり入る会社が成長しないとダメです。年収を上げるなら事業が成長するのは絶対条件ですね。ビズリーチも、メルカリも、スマートニュースも、市場が成長しているのはもちろん、良いプロダクトをつくる組織がありました。 moto:僕の場合、転職するときに「自分がこの事業を伸ばせるか」、「この事業が大きくなった世界を想像できるか」という2点をすごく大切にしていますね。実際に自分でサービスを使って「こういう風にしたらもっと使いやすいんじゃないか」とか「こういう機能があったら友達にも薦められそうだな」とか、自分ならこうする、という展開を想像します。 リクルートに入った時も「リクナビはもっとこうしたほうがいいんじゃない?」という自分なりの「あるべき姿」があったので、それを面接で伝えてました。そしたら面接側も「そうなんだよね~」と話が弾み、それなら僕はこういう改善ができますし、こういう風に進めたいと思うので、ぜひ採用してください!という話になった。もちろん、自分が出来ることを語れる分、給料の交渉もしやすくなるのでお互いの条件とビジョンとがマッチしたら転職します。 ――商談みたいですね(笑)。 moto:転職活動は「自分の営業」ですからね(笑)。 たいろー:僕も転職って、交換や取引に似ているなと思っています。僕が今持っているものを差し出す代わりに、あなたが持っているものを差し出してくださいというか、挑戦させてくださいという感じで。メルカリに転職する際はまさにmotoさんと同じようなことを考えていました。 当時のメルカリはすでに爆発的に伸び始めていたんですが、アプリとしては便利でも、僕のエンジニア的な目線ではまだ粗かったというか、改善余地がたくさんあったんです。例えばトップ画面。僕がアプリを開くと女性物がバンバン出てきて、僕は男性なので口紅とか買わないから意味ないんですよね(笑)。 「これってどんなレコメンドアルゴリズムなのかな?」と興味を持ったし、さらに検索結果も「自分がやれば検索体験が改善できて、もっと売上が伸ばせる」と確信できたんです。つまり“収益の蛇口”をひねることができると思った。 moto:「ここがイケてない」という課題を掴むことができて、改善するための提案と行動ができるという証拠を実績で示せばいいんですよね。あとは入社して実践すればいい。これは「転職強者」のやり方かもしれませんが、本質的に転職は自分の経験値を取引するものなので、基本は営業です。相手から求められている経験があって、そのうえで「採用側はコレをやりたいだろう」という仮説を立てたうえで提案する。それが「採用される人」の条件です。面接はあくまで交渉の場にすぎない。
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「強み」がない人は?
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転職と副業のかけ算

「転職アドバイスが的確すぎる!」「motoさんの発言を参考にしたら年収が上がった!」など、各種SNSで圧倒的支持――! 年収240万円の地方ホームセンター勤務から、4度の転職と副業を駆使して年収5000万円を稼ぐようになった「次世代型サラリーマン」の初の著書。



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