恋愛・結婚

ウェディングプランナーの裏側。カップルのフリして他社の式場を“偵察”

若きカップルが失踪、その時ウェディングプランナーは…

式場 約10年前、ウェディングプランナーとして働いていた大宮道子さん(30代・仮名)も違う意味で“偵察”をしたことがあるそうだ。 「結婚式を3週間後に控えるカップルと連絡がつかなくなったんです」  大宮さんと20代前半のカップルは3回ほど打ち合わせをしていた。それまでは順調に話が進み、会場を抑え、次の打ち合わせでは料理やお花を決めようとしていた。全体の4割~5割は決まっていたのだとか。  しかし、その打ち合わせの日、若き二人は式場に姿を現さず、それから1週間、大宮さんは二人が住む自宅や、実家などにも電話をしたが、全く連絡がつかなかった。 「そもそも、やるのかやらないのか分かりませんでした。事件に巻き込まれたのかもしれませんし、一体どういうことだろうと。仮にやらないなら、キャンセル料を頂かないといけませんでした。数か月前に連絡がつかなくなるのなら、損害は比較的少なくて済むのですが、3週間後に結婚式をしたい、というカップルはそういないので、結婚式1組分、少なくとも300万円の損害になってしまいます」  どうするべきか。担当レベルでは解決できない問題となり、本社と相談。悩んだ末、当時の上司とこんな行動に出た。 「お二人の自宅に行って、ピンポンしたんです」

まるで探偵の仕事

 ピンポンしたが、留守だったのか、出てこなかった。「もしかしたら帰ってくるんじゃないか」と電信柱の影に隠れて待ったそうだが、会えなかったそうだ。  「近くにある青果店などにも二人について聞き込みをして、『ちょっとわからないですね~』なんて言われたりして。まるで探偵というか、刑事みたいで。自分、何しているんだろうと悩みました。  それから、契約の際にご実家の住所を書いてくださっていて、そちらにも行ってみました。ピンポンしてみましたが、窓は開いてるけど出てくる気配はなかったですね。上司と窓を覗いてみては、出てくるかなぁとやっていました」  結局、会うことができなかったそうだ。その後も、粘り強く、毎日連絡をしたが、泣き寝入りとなってしまった。 「当時はとにかく驚きました。前代未聞でした。なかなか3週間前にキャンセルとなることはないし、音信不通はありえないことですし。  今もし二人に会えたら、来なくなった理由を教えて欲しいです。20代前半だったので、予算に不安が出てきたのなら金額を抑えた上で、なるべく要望に近いやり方も考えられたかもしれません」  人生の晴れ舞台だけに、大きな金額が動く結婚式。そこには多くの人たちの思惑が交差しているのだ。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。Twitter:@nanancypears
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