新型コロナで生活困窮。給料の前借りと言われる「給料ファクタリング」とは?
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日常生活に大きな影響が出ている。東京都では外出自粛要請が出るなど、経済は停止状態。「コロナ倒産」も相次いでいる。「今月の家賃を払うのが苦しい」と生活に困窮し消費者金融や銀行系カードローンに手を出す人も多いのだが、昨今では「勤務先にバレない」「ブラック歓迎」「信用情報を見ない・記載されない」をウリに「給料ファクタリング」というものが増加しているという。
「給料ファクタリング」とはどんなものか。22年続くネット最大規模の裏情報サイト「激裏情報」管理人の本堂まさや氏はこう説明する。
「ファクタリングとは、企業から売掛債権を買い取り、売掛債権の管理や回収を行う金融サービスのこと。例えば来月に入金がある売掛債権を今すぐ現金化したいときに使われる資金調達法で、近年徐々に増加しています。特に個人の給料を現金化できる『給料ファクタリング』は“給料の前借り”のようなもの。あくまで債権の売買で貸金にあたらないとして、貸金業法の上限金利を超える法外な手数料を取っている業者が多いために問題視されつつあります」
実際に給料ファクタリング業者を使ったという山本さん(30代・仮名)に話を聞いた。
「給料ファクタリング業者のホームページの申し込みフォームから必要事項を入力して送信したところ、1時間ほどで電話がかかってきました。若い社員の方の丁寧な対応で、20~30分くらいの確認のヒアリングがありました。提示された条件は、
■50,000円分の給与債権
■買取金額は40,000円
■弁済日は次回給料日(契約日から約15日後)
■手元に入るのは、振込手数料800円引かれた39,200円
というものでした。審査と称して私の免許証・通帳・勤務先・実家の連絡先・実家の資産状況などの情報も要求されました。連帯保証を伴わない『給与債権の売買』にもかかわらず、さすがに実家の情報を必要とすることには不信感を抱きましたね。さらに『勤務先にバレない』と謳っていますが、実際には無断で在籍確認があり、その際には大手損害保険会社の名前を騙っていました」(山本さん)
契約時にも不信感は募り、年間に換算すると金利は700%にも上るという。
「契約締結の際には電話口で『本契約は貸金ではない旨を理解したうえで申し込みます』という文言を一字一句間違えずにメールで送るように、指示がありました。契約書がPDFで送られてきて契約が締結されると、銀行間の即時入金システムから振り込まれました。
私が来月の給料を受け取る権利をファクタリング業者に渡す形で現金を受け取るというもので、建前としては『給与債権の売買』で、『融資』とは異なるというスタンス。そのため総量規制も対象ではないし、金融機関などで借りられないブラックな人でも借りられるというのを売りにしていました。しかし、弁済期間に対する買取金額を年利に換算すると、今回のケースは約700%というとんでもない数字です。いわゆるヤミ金は月5~10割。それと比べると金利が低いですが、融資ではないため貸金業法の上限金利が適用されず、異常に高い金利でお金を借りることになります」
また関連があるかは不明だが、契約後、山本さんのケータイにはヤミ金からショートメールでメッセージが複数通届いたという。
これまでファクタリング業者はあくまで債権の売買で貸金にあたらないとしてきたが、金融庁は「貸金に当たる」との見解を発表している。
「新型コロナウイルスの影響もあって生活に困った人、事情を抱えている人も多くいると思いますが、安易に給料ファクタリングに手を出してしまうと痛い目に遭うかもしれないので注意が必要です」(山本さん)
●「激裏情報」管理人・本堂まさや氏
22年続くネット最大規模の裏情報サイト。突出したスキルを持つ総勢50人の専門家で構成され、年間1000通以上の裏情報を発信。
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