更新日:2021年03月06日 10:10
エンタメ

<純烈物語>コロナ時代をどう生きたのか? メンバー、スタッフ、ファンの思いが一冊に<番外編>

毎週土曜朝8時半のアップとともにリーダーはコメントをつけてくれる

 毎週土曜朝8時半にアップされると、ほどなくして酒井一圭リーダーがひとことコメントをつけてツイート。ありがたいことに、毎回プロフィールのトップへ固定していただいており、そこへファンの皆様のリプライがつなげられていきます。  こちらのアカウントへの直接的なリプライも含め、すべて目を通させていただいております。その一言ひとことにどれほど支えられたか。いつも締切ギリギリになって担当編集者さんにはご迷惑をかけっ放しなのですがその分、読まれているという実感が何ものにも替え難い。  そんな17時間弱に及ぶ取材を一冊にまとめたところ……544ページという、アーティスト本としてはとてつもない情報量に。カヴァーと帯をかける機械ではその厚みに対応できず、手作業でやっていただきました。  リーダーがよく口にする「熱量」で言うならば、そこまでの人々の分もこの一冊にはこめられていることになります。やろうと思えば、前回より本文の文字を小さくすればページ数は減らせました。  でも純烈のファンはマダム層が多く、全国津々浦々にはご年配の純子と烈男の皆様もいらっしゃいます。字が細かくならず、読みやすい大きさにするのは担当編集者さんとの共通のこだわりでした。  画数の多い漢字も使わず、かなで開いているのもそのためです。日本語のひらがなには、読み手を思うやさしさがあります。

連載56週分が544ページに

 544ページ分の校閲・校正は、覚悟していたとはいえ想像を絶するものがありました。「すでに公開されているのに直しを入れるの?」と思われるかもしれませんが、掲載から時間が経過したことで表現を変える必要がある箇所も出てきます。  また、より精度を高めるべく助詞ひとつをとっても「こちらの方がいい」と思ったところは直しを入れます。結果、書き下ろしでもないのにゲラは真っ赤……それは筆者自身の顏と同じ色でもあります。 「こんな真っ赤になるシロモノが、ウェブ上に出ているのかよ_| ̄|○」  書かれている内容に大きな違いはないのですが“作品”としてのクオリティーは、本の方がよりブラッシュアップされ高くなっています。ウェブ上と紙で読むのとでは受け取り方が変わってくるのは、それによる部分もあるのです。  加えて、ウェブ版のナンバリングを組み替え章立てしているので、より全体の流れがスムーズになっています。連載を欠かさず読まれている方にも、単行本はまったく別ものの作品として味わっていただけるはずです。  思えば、ひとつのアーティストがほぼ同時進行で追われ、その動向を週単位で発表されるケースは芸能界や音楽業界でもあまり例を見ないことです。長期に渡る取材を重ねたノンフィクションはあっても、まとめて形になったところで時間が経過しています。  純烈の場合、そのラグが極めて少ない。何かアクションを起こすごとに、それが文献として残されていく。
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(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。

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