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トランプ再選のデマはなぜ拡散された? 政治系ユーチューバーKAZUYA

衝撃的な情報ほど立ち止まって調べるべき

ライトなライト論

ユーチューブやSNSでは根拠のない「トランプ再選」情報が拡散され、今年1月6日には日本でも「Stop the Steal」(選挙が盗まれるのを阻止しろ)と掲げ、トランプ氏を応援するデモが行われた(東京・銀座)写真/時事通信社

 先に挙げた誰々が逮捕されたなどもそうですが、ネットだけにそんな重大事件の情報が出るなんてことはありません。僕はテレビや新聞も偏っているとは思いますが、ネットは誰でも発信者になれるうえに個人が勝手に書いているだけなので、より注意深く見る必要があると考えています。衝撃的な情報ほどすぐさまリツイートせず、立ち止まってほかにも情報がないか調べるべきでしょう。  ツイッターは匿名の人が多く、誰がどんな意図で書いているのかわかりませんし、無責任に何でも書けます。ユーチューブは再生数至上主義で、金儲けのために思ってもいないことを動画にして視聴者を惑わすことも考えられます。  ご存じだと思いますが、ユーチューバーは再生数と再生時間の多さで収益が左右されます。動画の時間が8分以上になると、自分で広告ポイントを設定できるため(設定してもすべて広告が掲載されるとは限りませんが)、ちゃんと見てもらえる動画であれば収益率が上がります。  テレビも行きすぎた表現等が見受けられますが、一応企業としてやっているわけですから、多少のチェック機能は働きます(万能じゃないけど)。一方でネット動画はよほど逸脱した発言や表現がない限りチェックシステムも曖昧で、広告掲載の審査に落ちることはあっても動画自体は残り続けることが多いです。

情報を発信する立場として、踏み越えてはいけない一線

 もはや一人1ユーチューブアカウントの時代になり、コロナも相まって芸能人も続々と参入するなかで、競争は激化の一途をたどっています。そうなると結局注目を集めるために過激化していくのは自明の理で、昨年は迷惑系ユーチューバーが世間を騒がせ、逮捕される始末です。  過激なことを言っている、やっている人のほうが目立つのはある意味仕方ないことです。ユーチューブはお金が絡んでいるため、つい過激に走ってしまうのもわからないではありません。  それでも踏み越えてはいけない一線があるのではないでしょうか。  政治系でいえば、米大統領選挙関連で本当かどうかわからない情報をそれっぽく言うことで、実際に再生数が伸びていました。一過性のお金儲けならそれでも成立するのかもしれませんが、長期的にやっていくと考えると汚点になりかねません。  トランプ氏が逆転するかのように煽り続けている人がいましたが、結局起こったのは1月6日の議事堂突入の悲劇、そしてあまりにもあっけない1月20日のバイデン氏大統領就任です。  それでも脱落しない人は3月4日にトランプが大統領に就任するという荒唐無稽な話にすがりつきました。当然何も起こらなかったですけどね……。
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