仕事

コロナ解雇された40代のその後。1年間無職も、代表取締役になっていた

新型コロナ発生から1年。正規・非正規、老若男女問わず、多くの労働者が解雇の憂き目に遭った。仕事を失った彼らはその後、どのような道をたどったのか――。今後も増え続けると予測されるコロナ解雇。彼らのその後を追った。

解雇後の逆境を乗り越え、無職から代表取締役に

コロナ解雇

昨年掲載された「コロナ解雇」特集にも登場した後藤さん。当時は転職エージェントに登録するも再就職が見つからず、不安を抱えていたが……

 週刊SPA!(2020年6月30日号)「コロナ解雇の衝撃」では、コロナ解雇の現場をリポートした。取材に応じてくれた人々はその後、どうなったのだろうか。そのうちのひとり、後藤誠さん(仮名・46歳)から近況を聞くことができた。  後藤さんはイベント制作会社に新卒で入社、近年は管理職として年収700万円で勤めていたが、相次ぐ自粛で会社の経営は悪化。昨年4月末に解雇となっていた。 「会社都合の解雇のため、失業手当は即支給されました。額は27万円。月給の6割相当ですが、小学生の息子の教育費、家や車のローンで家計は赤字。お尻に火がついた状態で月2回ハローワークに通いました。他業種への就職も考えましたが、これまでイベント畑一筋だった自分には、かなり厳しい状況でしたね」

「フライヤーの折り込みから来場客の消毒や検温……なんでもやりました」

 危機感を抱きながらも後藤さんは、冷静に動き続けた。 「昨年夏頃から、過去の取引先や知り合いに連絡を取り、ライブやイベントのボランティアスタッフとして手伝いに行きました」  管理職だった後藤さんだが、最前線の現場仕事を買って出た。 「フライヤーの折り込みから来場客の消毒や検温……なんでもやりました。就活というよりも、ブランクをつくりたくない一心でした」
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なんとコロナ解雇から約1年後、代表取締役就任
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