2か月で辞めた新入社員。「入社3日目」で気持ちは固まっていた
求人案内や会社のホームページでどんな職場なのかイメージを膨らましても「思っていたのと違っていた」と感じることは多いはず。それでも許容できる範囲ならまだいいが、なかにはブラック企業並みの劣悪な職場環境なんてことも珍しくない。
「次の転職活動が不利を被ることになってもズルズルと働き続けるよりはマシだと思ったんです」
そう話すのは、2018年秋に中途採用で入社した小さな広告代理店をわずか2か月で退社した石田林太郎さん(仮名・26歳)。営業職としての採用だったので大変なのは覚悟していたが過酷さは想像以上。そのため、入社3日目にして辞めることを考えたとか。
「初日の午前中、社長から商品となるネット広告のプランやセールストークについての研修を受けましたが、わずか1時間ほどの簡単な説明といった内容のものでした。最後は『後は資料に書いてあるから』ってA4用紙数枚分の資料を渡されて終わり。そんな右も左もわからない状態でいきなり飛び込みの営業に行かされたんです」
ちなみに前職は契約社員のアパレル店員で、広告業界で働くのも営業の仕事もこれが初めて。いくら営業職採用とはいえ、通常は業界未経験の新人に初日から1人で飛び込み営業をさせたりはしない。
だが、このときは内心「マジかよ……」と思いつつもそういう業界なんだと思い込んでしまったそうだ。
「ただ、訪問先の担当者に話を聞いてもらうところまでいっても当然いろんな質問を受けるじゃないですから。入ったばかりだと答えられない内容のものも多く、やっぱりそうなると契約はしてもらえませんよね。それでも小さな広告ですが最初の一週間で5本の契約を取って来たんです。自分ではまずまずの滑り出しかなと思いましたが、社長からは『少なすぎるだろ!』って痛烈なダメ出し。歓迎会などもなければ毎日2~3時間の残業はあるし、それもいったんタイムカードを差してからのサービス残業です。さすがにこの会社で自分がずっと働く姿を想像することはできませんでした」
とはいえ、多くの方は入社したことを後悔してもすぐに辞める決断は下しにくい。でも、その一方でスパッと入社早々に退職することを選んだ者たちもいる。
入社初日から1人で飛び込み営業に行かされた
3日目で「辞めたい」
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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