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コロナ解雇される人たちのリアル。CA、ホテル、タクシー業界の嘆き/コロナ禍の日本

―[コロナ禍の日本]―
 3度目の緊急事態宣言が延長、まん延防止等重点措置も発令で自粛が続く日本。これまで取材してきた新型コロナの影響が直撃し困ってる人々を今一度振り返りたいと思う。コロナ禍の影響を受けて、仕事が減ったり、解雇されるという憂き目に遭った人たちを昨年に取材。そのときの嘆きの声、2020年9月14日記事をそのまま再掲載する。

既に生き残りの厳しさを痛感している人たちのリアル

生き残れない仕事

元ホテル従業員の杉下さんは「客が戻ってきたらまた働いてほしい」と支配人に言葉をかけられたそうだが、もちろん元職場からは今も何の連絡もない

「私が働いていた温泉街でも一部のビジネスホテルチェーンのような自動チェックインを導入しようとする動きがあり、その矢先のコロナショックでした。これを機にフロント業務のAI化が加速化し、外国人観光客が再び戻っても求人が増えるかは正直疑問です」  そう語るのは、2020年5月末に解雇された元ホテル従業員の杉下毅さん(仮名・44歳)。解雇後は一時的に農園でアルバイトをしているが、コロナ収束後にホテルの仕事に復帰することは考えていないとか。
生き残れない仕事

解雇通知書

「解雇通告は突然でしたが、今の状態が続けば倒産や閉鎖もあるだろうなと。支配人が頭を下げている姿を見て、憤りや怒りの感情はなく、この人も辛いんだろうなと同情してしまったんです……」  杉下さん、在職12年で退職金ゼロ。解雇予告手当として約16万円が支払われただけだったという。

タクシー運転手も人員削減

 一方、タクシー運転手も外出自粛で深刻な打撃を受けた仕事の一つだ。神奈川県内のタクシー会社に勤める河野和哉さん(仮名・53歳)は、「稼げずに辞める人間もチラホラ出てきた」と話す。 「緊急事態宣言中のような閑散とした雰囲気が続いている。さすがにこの状況が年単位で続けば、大きなタクシー会社でも人員削減が行われる。本当にお先真っ暗です」
生き残れない仕事

河野さんのタクシーの乗務記録。コロナ前に比べると、お客を乗せる回数も減っており、近場の乗務ばかりで売り上げも少ないとか

 また、不安材料としては自動運転の存在も。市販化には時間がかかりそうだが、「仕事を奪われる」と不安を抱く人もいる。 「これに関してはタクシーより鉄道やバスのほうが先に導入されるはずです。そのときになったらマズいと思うかもしれませんが、おそらく10年20年先のこと。若い運転手ならともかく、自分はすでに引退している可能性が高い。ただ、ライドシェアサービスについては脅威を感じています。二種免許が要りませんし、個人でも始められます。ウーバーイーツのように今後増えるかもしれませんしね」  そして、タクシー運転手以上に危機感を抱いているのが運転代行。  ドライバー歴4年の大山悟和さん(仮名・55歳)は、2020年6月に会社から契約解除を言い渡された。 「そもそも乗務は夜~深夜に限定され、仕事も基本的に2人一組で行うので割がいいわけではない。それなのに、夜の街に繰り出す人は今も激減したまま。おまけにタクシー会社が代行事業に進出し、少ない仕事を奪われるようになりました。今後ますます淘汰されていくと思いますよ。私のように契約解除で仕事を失うだけでなく、廃業する業者も今まで以上に増えていくでしょうね」
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コロナ禍の被害は甚大。解雇通告に怯える日々
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