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高まる東京五輪中止論も、アスリートを政治的志向で巻き込むのは筋違い

五輪はやるのかよ!高まる「中止論」

五輪中止論

※画像はイメージです

 国内には東京五輪中止論もくすぶっています。確かにコロナ対策で国民に我慢を強いた上で、あらゆるイベントやスポーツの大会が中止や自粛に追い込まれているのに、五輪はやるのかよというのはツッコミとして合理性があります。  菅総理は五輪について「対策を徹底することで、国民の命や健康を守り、安全、安心の大会を実現することは可能」と見解を述べていますが、緊急事態宣言もダラダラ続けて本当に可能なのかという話です。  国民意識も徐々に変化していて、読売新聞の世論調査を見ても五輪は「中止する」が59%、「開催する」は39%となっています。僕としてはせっかくの日本での五輪ですし、開催してもらいたいというのが本音です。ツラい状況だからこそ、己の限界に挑戦するアスリートに勇気づけられることも多いでしょうしね。  ただ、開催国である日本の国民感情が反発するなら難しいだろうと考えています。

五輪の政治利用に反発

 もはや当初思い描いていた五輪のシナリオは完全に破綻しているというのも、国民感情が一種の諦めになってしまっている要因なのではないでしょうか。  本来ならば、五輪の特需があったはずなのです。多くの外国人観光客が来て関連業種はウハウハ。五輪に備えて設備投資をした企業や施設も多くあります。ところがコロナの影響で目当ての観光客は基本的に来ることができません。  そういう状況ですから、そもそもやる意味があるのかという話です。五輪はスポーツの祭典といっても、結局は政治的な意図が絡み、経済的な要因が大きいのも現実なのです。今開催するのかしないのかは、一連のコロナ対応における政治問題でしかありません。  政府や組織委の対応も批判を招くポイントです。ワクチンの打ち手も不足する中、組織委がスポーツドクターを無償ボランティアで200人募集したり、日本看護協会にも500人の看護師参加を要請したり……。優先順位どうなっとんねんということで批判が高まるのです。
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池江選手を批判した8割がリベラル系?
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