ライフ

外で酒が飲みたい、女性と会いたい。「我慢ができない」に潜む罠

「どうしても飲み足りない」に誘われて…

酒 マッチングアプリで出会った女性と繁華街のスポーツバーに行ったという埼玉県内在住の会社員・幸島祐輝さん(仮名・30代)が、悔しさで顔を紅潮させながらいう。 「マッチングアプリで知り合い、とんとん拍子で会うことが決まりました。お互い、コロナ禍でほとんど家から出られず大変だということで、たまにはこっそり繁華街をぶらついてみようと、彼女が指定してきた場所に向かったんです」(幸島さん、以下同)  一軒目は、幸島さんが何度か行ったことのあるチェーン系の居酒屋。もちろん酒類の提供はされておらず、店に入る前と出た後、コンビニで購入した缶ビールや缶酎ハイを持って、近くの路上でカンパイもした。  時刻は夜8時を過ぎ、空いている店もほとんどない。 「欲を出してホテルに誘うか迷っていた時、彼女がどうしても飲み足りないと言い始めまして。男なら脈あり、と思っちゃうじゃないですか。偶然通りかかったところに営業しているスポーツバーがあって、彼女が入りたいと体を寄せてきた。もう入らない理由はないでしょう」  店内には誰一人客はいなかったが、コロナ禍ということで違和感を覚えることもなかった。しかし席に着いた瞬間、彼女は駆けつけで5杯以上のビールを飲み干し、一気にダウン。酔い潰れて寝てしまったようにも見えた。 「店員さんが“彼女さんですか”と話しかけてくれて。雰囲気の良い店だと、私も何杯かビールやカクテルを頼み、店員にもお酒を奢りました。夜11時ごろになって、さすがに帰らなきゃという時間になっても彼女は起きない」  そこに先ほどまで幸島さんとフレンドリーに会話をしていた店員がやってきて、お会計を先に……という囁きと共に幸島さんに突きつけられた伝票。金額は、なんと二人で10万円。 「手持ちの現金がなく、とにかく支払わなければと彼女一人を店に残し、近くのコンビニのATMでお金をおろしました」  そして支払いを終えた瞬間、彼女はムクッと起き上がると、幸島さんに「最低」と吐き捨てるように言い放ち、店から出て行った。

「我慢ができない」に潜む罠

「私を一人にしてひどい、怖かったと言われ、申し訳ない気持ちでいっぱいだったんです。ぼったくり店に入るなんてバカだった、彼女にもフラれたと落ち込んでいました。  しかし、やはりどう考えても腑に落ちないところがあって、その店のことをネットで調べると、ぼったくられたとか美人局にあったとか、ネガティブ情報のオンパレード。彼女が名乗っていた名前について触れる書き込みもあって。ようやく私は騙されていたことに気がつきました」  つまり、店と女性はグルだった——。
ポスター

警視庁新宿警察署によるポスター。マッチングアプリ×ぼったくりバーの手口に注意を呼びかけている

 東京や大阪などで出されている緊急事態宣言は6月20日まで延長され、飲食店でまともにお酒が飲めない状況が続いていく。いつまで我慢すればいいのか、その気持ちはわからなくもないが、「我慢ができない」男性を狙うような輩もいるということだ。 <取材・文/森原ドンタコス>
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