更新日:2021年09月17日 12:22
スポーツ

「コロナ禍で仕事がすべてなくなった」レースクイーンが見出した活路

一度は社会人になるも、すぐに方向転換。一躍GTのレースクイーンへ

レースクイーン

新谷桐子さんのレースクイーン姿

 イベントコンパニオンという華々しい仕事を経験してきた新谷さんは、大学卒業を機に一度きっぱりイベントコンパニオンから離れ、一般事務の仕事をするために上京。  地道に働く道を選んだ理由について「組織に属しての社会経験を積もうと思って就職した」と新谷さんは言う。 「制作会社の事務の仕事をこなしていて、初めの方は良かったんですが、途中で窮屈さを感じてしまって……。ルーティンワークは自分の性格に合わないと改めて思うようになり、半年で辞める事になってしまいました。  そこで、名古屋の友人に『東京で優良なイベントコンパニオンの事務所教えて』と連絡し、紹介してもらった事務所に所属しました。そして東京を拠点に、イベントコンパニオンとして再び働くようになったんですよ」  こうして華やかな世界へと舞い戻ったわけだが、東京でイベントコンパニオンの活動を始めた際にもっとも驚いたのは「レースクイーンの中にも色々種類があること」だそうだ。 「レースクイーンといっても、こんなにたくさんの仕事があるのかと、東京に来てから知ったんですよ。転機になったのはやはり『SUPER GT』のオーディションに受かったこと。モータースポーツのなかで一番盛り上がるレースなので、レースクイーンにもひときわ注目が集まるんです。  また、『GTでレースクイーンを務めている』という肩書きを持っているだけで書類選考時に優遇されることも多く、コンパニオンの案件も通りやすくなる。収入に関しても波はもちろんありますが、一般的な20代女性OLがもらえる額以上にもらっていた時期もありますね」  モータースポーツの世界で注目の的として熱い視線が注がれるレースクイーンだが、やっていく上で苦労はなかったのか。 「レースクイーンはチームや企業の『広告塔』なので、常に笑顔で明るい雰囲気を作らないといけないんです。レースクイーンを務めるチームによって異なるものの、だいたいが長丁場なので、気を抜けないですよね(笑)。絶対に暗い顔したりネガティブな雰囲気は出せないので。  ただ、レースクイーンをやっていることで、ファンがついたりSNSでフォロワーが増えたりするので、とてもやりがいのある仕事だと思っています」

コロナ禍で全く仕事がない…。行き着いたのはライバーの道

 しかし昨年、突如として世界中を襲ったコロナ禍により、多くのレースやイベントの中止が余儀なくされた。コンパニオンやレースクイーンは仕事柄、イベント自体がなくなってしまえば、活動できなくなってしまう。  新谷さんは「コロナ禍で仕事が全くなくなってしまった……」と深刻さを語った。 「仕事自体がないので、稼ぐことができない状況が続きました。幸い貯蓄はしていたので、貯金を切り崩しながら生活していましたね。正直最初は『どうせ2〜3ヶ月くらいで流行は収まるだろう』と考えていたんですが、全然収束する気配もなく、いよいよこれはまずいぞと。  レースクイーン仲間の友達とも情報交換し、お互いどうしようと言いながらも、必死に乗り越えるためのアイデアを考えていたところ、友達が『17LIVE(イチナナ)でライブ配信を始める』と聞いたんです。  それで、応援するつもりでその友達のライブ配信を見にいって驚きました。オーディエンス(ライブ配信視聴者)からのリアクションや、“ギフト”という課金アイテムの応酬がもうすごかったんですよ(編注※無料のギフトもある)。  なんか盛り上がってるなと思い、後で友達に聞いたら『ライバーで月に200万円くらい稼ぐ人もいるんだよ』と言われたんです。これは夢のある仕事だとその時に感じましたね。そして自分もライブ配信をやってみようと思い、17LIVEに登録しました」
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ライバーとして月収130万をもらったことも
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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