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松坂大輔が語ったバッティング論「渡米前なら練習でもバックスクリーンに」

ユニフォームを脱ぐ決断をくだした平成の怪物

松坂大輔

ソフトバンクから中日に電撃入団した際。SPA!ではインタビューを行った 撮影/赤松洋太

 平成の怪物と呼ばれた男がユニフォームを脱ぐ決断を下した。松坂大輔……野球を知らない人でも、その名前は聞いたことがあるはずだ。98年夏の甲子園では決勝戦でノーヒットノーランを達成し、西武ライオンズにドラフト1位で入団。01年には21世紀初となる沢村賞を受賞。その後、メジャーに移籍し……と、輝かしい戦歴を残した。(文中敬称略)

松坂大輔はバッティングが大好きだった

 SPA!では18年に中日ドラゴンズにテスト入団した際にインタビューを行っている。入団の裏話やリハビリの話など、当時の松坂を取り巻く話を語ってもらったのだが、中でもバッティングについての話では大いに盛り上がった。実は松坂、高校時代は通算14本の本塁打を放っており、06年の阪神とのセ・パ交流戦ではバックスクリーンにプロ入り第1号を放っている。そう、かなりのバッティング好きなのだ。当時の記事からインタビューを抜粋してみよう。 ——キャンプではバッティング練習で柵越えもあり「松坂大輔の打撃を見たい!」というファンが、わざわざ足を運んだとも聞きます。DHのないセ・リーグでは、松坂選手のバッティングに期待しているファンも多いと思います。 松坂「ハハハ。もちろん、僕は投げることで一番貢献しなければいけないですけど、打席に立つ以上は、簡単には打ち取られたくないですね。少しでも相手のピッチャーに圧力をかけたいし、簡単に打ち取られるのは悔しいと思うので、なるべく楽をさせないような状況にはしたいですね」 ——松坂さんは打撃自体が好きなのでしょうか。 松坂「好きですね。キャンプ中、2、3回くらいかな、屋外で打たせてもらう機会があったのですが、やっぱりしばらくバットを振っていないと、バットって振れなくなるものだなって感じました(苦笑)。  周りからは(打球が)飛んでるね、とか振れてるね、とか言われましたが、自分の感覚だとやっぱり「振ることを身体が忘れていたんだな」と。最近はバッティング練習で『結構、バット振れてきたな』って感じてます(笑)」 「結構、バット振れてきたな」と語った時の顔はまさに“野球小僧”。嬉しそうにバッティングの話をする姿に、聞いている我々取材班も心躍ったことを覚えている。
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川上憲伸と盛り上がった
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愛知県出身。スポーツからグルメ、医療、ギャンブルまで幅広い分野の記事を執筆する40代半ばのフリーライター。
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