更新日:2021年09月29日 08:06
エンタメ

AVの帝王・村西とおる「人間の妄想力は野生動物の性欲よりたくましい」

カメラを向けられることに意識は?

村西とおる――監督の気持ちが伝わったんですね。 村西:そこで意気投合して、原田君のユニークな感性を活かした番組に出演していただいて、みなさんにも見ていただこうじゃないかと。それで今回ご出演いただいたんです。彼は気性の良い男でね、なんでもざっくばらんに話してくれるんですけど、さすがに面食らってました。だから「気取っちゃダメだ! インテリぶるな」って注意したんです。しょせん役者なんてヤクザな商売でスケベなんだから、そのままでいいんです。素の部分を出したほうがいいんですよ。彼も、もう一皮剥けるといいんですけどね。まあ後で、女房とのCMが控えていたから遠慮気味だったのかと気付いて、「早く言ってよ!」と思いましたけど。 ――AV撮影中も監督は名言を連発していましたが、カメラを向けられると多少は演じているようなところもあるのでしょうか? 村西:ドキュメントと言いながらもね、やっぱりカメラを向けられると演者として意識します。ここでテンションを上げようとか、ここでギアを上げようとかは必要ですから。淡々とやっていたのでは面白味がない。そういう意味で私なりにパフォーマンスをして、そのシーンを香ばしいものにしていこうと努めています。台本がないから、即興芸術なんですよ。お悩みを抱えた方や童貞諸君たちを前にして、どういうパフォーマンスを見せていくのか。その場の空気感、対象となる人たちの人間性、人柄、そして痴性。知性ではなく、やまいだれの痴性ではあるんだけど。そういうものを上手く咀嚼して、形にしていく。そういう即興芸術は私以外にはできないだろうと。

営業マン時代に磨いた即興テクニック

村西とおる――そういう即興テクニックは、どのように磨いたのでしょうか。 村西:私は営業マンをやっていた時期が長かったから、その頃に培った応酬話法が十分に活用できているんです。だから、やってる自分も何が出てくるか分からない。その面白さが『天才・村西とおるのチ〇コが勃つテレビ』にはありますよね。スタッフのみなさんも全て私に委ねてくれて、ここは撮らないでください、私は映さないでくださいというのもなかったんです。この場所にいたら、同じ船に乗っている仲間同士だぞとやりたい放題やらせていただきました。その自由さがいいんですよね。アダルトビデオの現場を映すのみならず、人間ってこんなに面白いんだ、こんなにおぞましいんだ、楽しくてユニークなんだと。人間を描いているんです。いわば人間博覧会ですね。 ――監督が最も信頼するAV男優、ダンシャリー高嶋さんも重要な役割を果たしていますが、監督の考えるいい男優の条件を教えていただけますか。 村西:パブロフの犬のよだれじゃないけど、「はいスタート」と言ったら、どんな状況でも勃つことですよ。そういう意味では今の一流男優は優秀です。ただ世間的に言えば異常性欲者です。一歩間違えれば犯罪者。「AVの仕事がなかったら懲役モノでした」「北関東イチの強姦魔になってました」って本人たちが言うんだもん。大リーグの大谷君じゃないけど、そういう異能、異才じゃなければ世の中の役に立つことはできないんです。AV業界もそう。史上最悪の強姦魔みたいな男じゃなきゃ。
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エンタメの最高峰はAV男優
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出版社勤務を経て、フリーの編集・ライターに。雑誌・WEB媒体で、映画・ドラマ・音楽・声優・お笑いなどのインタビュー記事を中心に執筆。芸能・エンタメ系のサイトやアイドル誌の編集も務める。

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【作品情報】
「数多くの伝説を生み出してきた村西とおるが6年ぶり に生み出す、新人女優のAVデビュー作がU-NEXT(https://video.unext.jp/)のアダルトコーナー「H-NEXT」にて配信! 村西とおる新作AV作品公開に伴い、《AV連動型バラエティ番組》『天才・村西とおるのチ○コが勃つテレビ』では、 その素人立ち入り禁止の撮影現場に密着。企画から制作まで全てに力を振るう彼の姿と、現場で飛び交う “全裸監督節”に注目!」
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