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トランスジェンダーの歌手・中村 中「ジェンダーってブームなんですか?」

「こういう時代だから」じゃなく、自分の言葉で語ってほしい

中村 中 トランスジェンダーの歌手・中村 中は、「多様性と調和」を掲げる東京オリンピック開催の今年、紅白歌合戦にも出場したデビュー当時の心境を「脅迫されたカミングアウトだった」と語り、大きな反響を呼んだ。 「『女性になりたいってことは、子供、欲しいんでしょ?』なんて初対面の人に平気で聞かれたりして。もうそういうことにも慣れてしまいましたけど、『今は多様性の時代だから』とか『時代が変わったから』という言葉にも、違和感があります。『時代が変わったから~、の後にどんな言葉が続くの?』って」  時代、風潮、空気。こうした言葉には、ある種の無責任さもつきまとう。 「ジェンダーを『ブーム』と言い切っている記事などはもう怖いです。流行り廃りで、生きづらさを感じている人を扱わないでほしい」

賛否があるのはいいけれど

中村 中 彼女の言葉は時代に流されない。思わず「貧困、差別、環境など困難な問題ばかりでも、未来は変えていける。今、ジェンダーが注目されているのは、その突破口となりえる存在として、希望を託す部分もある」、そう答えた。 「そう信じて勇気をもって発信している人がたくさんいます。そのたびに、賛否があるのはいいけれど、揚げ足を取って後出しジャンケンで勝ち誇るだけなら、それはせっかくの勇気を汚す行為だと思う。街の壁に落書きしているようなもので、その道をまた通るとき、書いた自分を嫌いになってしまう」  デビュー15周年を迎えた彼女の言葉を、自分自身に問いかけてみる。 【中村 中】 ’85年、東京都生まれ。’06年、メジャーデビュー。「友達の詩」で紅白歌合戦に紅組で出場。8月13~22日に舞台『オーレリアンの兄妹』(小沢道成との二人芝居。下北沢・駅前劇場)、9月に4週連続でのライブ開催『吉日らいゔ@代官山』を控える。出演映画『ハザードランプ』(主演・安田顕、山田祐貴)が’22年公開予定 撮影/渞 忠之 取材・文/宮下浩純 ※週刊SPA!8月3日発売号より
週刊SPA!8/10・17合併号(8/3発売)

表紙の人/ 大原優乃

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