更新日:2021年09月08日 15:10
エンタメ

現役風俗嬢がYouTuberになった理由「楽しんでいる人もいることを知ってほしかった」

風俗が特殊な仕事だとは思っていない

――視聴者からはどんな反応があるのでしょう。 まりてんまりてん:女性の視聴者も多いですね。風俗業界で働いている女性もよく見てくれているみたいです。メディアの影響だと思うのですが「風俗嬢はかわいそう」というイメージを抱きながら風俗で働いている人が意外と多いんです。そういう人から『ホンクレch』を見て、仕事を楽しんでいいんだって思えた、と感想をもらいました。  私自身は、風俗が特殊な仕事だとは思っていないので、コールセンターや派遣などのほかの接客業や個人事業主としての事業とあまり変わらない気がしています。ただ、ほかの仕事に比べて、リスクはあります。感染症も怖いし、働いているのが家族や会社にバレてしまうかもしれない。  ただ風俗嬢といっても一緒くたにできないんですよ。どうしてもお金が必要で、という人もいれば、ただのギャラのいいバイトと割り切っている人も、私たちのように楽しんでいる人もいる。  それに、風俗って接客業じゃないですか。お客さんの望む女性を演じると言えばいいかな。割のいいバイトと思っている風俗嬢でも、相手に合わせて「奨学金の返済が大変で……」って言ったり、お金のためにイヤイヤ働いているのに「エッチが好きで」と演技したりするケースもある。だから実態とイメージが合わないのかもしれませんね。

傷つきやすいシーンは確かに多いが…

――風俗店の経営も経験したまりてんさんらしい視点ですね。 まりてん:一度、海外のマジメ系YouTuberにインタビューを受けたんですよ。インタビューのコメント欄には「楽しそう」って感想が多かったんですけど、「この子は笑っているけど、本当は精神的に病んでいる」という書き込みもあって……。私自身、そうかもしれない、と落ち込んだこともありましたけど。 ――風俗には精神的に不安定な女性が多いイメージがありますが、それも先入観ですか? まりてん:そういう子も少なからずいますね。サービス業、接客業の極みみたいな仕事なので、傷つきやすいシーンも多いし、短時間に高収入を得られるから、精神的な問題で長時間働けない人たちが集まるという背景もあるかもしれません。でも、それも、コールセンターのクレーム処理の人が精神的にまいってしまうのと同じ現象じゃないですかね。  その意味でも、風俗をふつうの仕事と同じと捉えて、YouTubeの収益で組織化して、いろいろ新しいことをしていきたいと考えているんですよ。
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本当に解消してほしいのは必ずしも性欲とは限らない
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