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業務スーパーの強さは“非常識”にあり。牛乳パックデザートだけじゃない

フランチャイズ経営も“非常識”だった!

業務スーパー もう一つ、同社の強みを支えるのがFC(フランチャイズ)店舗展開。現在、全体のおよそ9割を占める926店舗がFC店、直営は2店舗しかありません。しかし、神戸物産がFC店から得るロイヤリティは、仕入れ額のたったの1%です。これは業界水準ではかなり低いほうです。  ところが、営業利益率は8.2%と、他の商品スーパー(ライフC:2.0%、ヤオコー:4.5%)に比べて高利益率を誇るのです。なぜこんなことが可能なのでしょうか? そもそも、神戸物産のFC展開の目的がおもしろいです。  それは、「業務スーパーの仲間を増やすこと」。

FCオーナーの裁量に幅を持たせる

“仲間”を短時間でたくさん集めるために、FCロイヤリティを低くし、FCオーナーに裁量に幅を持たせて自由に経営させる。そして、店舗の利益が上がるように、効率化をしたほうがよいところは本部のやり方を取り入れてもらう。そんな方針なのです。その代表例が、お酒の販売。業務スーパーは、開業当初、酒類を扱っている店舗が多かった。というのも、当時は酒販店が業務スーパーに業態転換したケースが多かったからです。  その場合、すでに仕入先が決まっていたり、もともとの商売の繋がりがあります。その繋がりをFCに加盟したことで一掃するのではなく、むしろ強みとして続けてくださいという姿勢をとったのです。業務スーパーの加盟店は、本部に申請すれば加盟店で独自の仕入れができるようになっており、業務スーパーの商品を扱いながらも、もともとの酒販を続けることができる仕組みになっています。  この柔軟性、FC業界では“非常識”と言えませんか?
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FC加盟店がフランチャイザーになれる?
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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