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時短営業しない飲食店を検索できるサイト、運営者を直撃。感染拡大の懸念は?

感染拡大の懸念は?

 しかし、こうしたサイトが感染を拡大させてしまうことはないのか。 「もちろん感染を拡大させようなどとは全く思っていませんよ。ただ、一方でやむにやまれず営業をしている飲食店があり、他方で開いている店が見つからずに困っている人たちが現実にいるわけです。私は『飲みナビ』がそんな飲食店と利用者の橋渡しになれば良いと思っているのです」 飲みナビ そもそも外出を自粛するかどうかなんて、本来、個々人が判断して行動すべきことですよね。高齢の両親と同居しているからウイルスを家に持ち込みたくないという人が外出を控えるのはわかります。それは個人の判断ですればいい。でも、昨年の欧米のように毎日数千人規模の死者が出ているならともかく、日本の今の状況なら若くて重症化のリスクも高くない人たちが自己判断で出かけたっていいじゃないですか。そんなところまで国家が介入すべきではないですよ。国家が本来やるべきは医療体制の整備や困っている人への経済支援といった対策であって、根拠のない私権の制限ではありません」

「飲食店を応援したくて利用」

 サイトを開設して以来、ユーザーからは多数の反響があるという。実際に「飲みナビ」を使ったという30代女性は、「とても便利だった」と話す。 「友人と集まれる店を探すのに困っていたので、こうしたサイトがあると助かります。コロナの収束を待っていたら、飲食店が軒並み潰れてしまうのではないかと危惧していたので、少しでも応援したくて利用しています」  緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されていた期間は、2021年1月~9月のおよそ9割にあたる。この間、ずるずると飲食店への営業規制が続けられてきた。9月30日を以て宣言は解除されたものの、なお飲食店への規制は続く。「飲みナビ」は日本のコロナ対策に改めて一石を投じることになるかもしれない。 【楜澤悟】 1971年生まれ。東京工業大学工学部卒業。ベイン・アンド・カンパニー、ソフトバンクを経て2007年に独立。投資ファンドの運営や地方新聞社の事業再生、不動産投資、ビジネスDD等を手掛ける。ほか企業、自治体の社外取締役やアドバイザー等を歴任。2021年、若い仲間と「飲みナビ」を立ち上げた。 <取材・撮影・文/中垣内麻衣子>
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