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小池都知事にケンカを売った飲食店。“反時短営業”を続けた社長が怒りの告白

時短要請を無視する飲食店に“命令”を出したうえで過料を科すのは適法か? コロナ禍に勃発した前代未聞の法廷闘争に注目が集まっている。東京都にケンカを売って“反時短営業”を続けた飲食店の代理人が怒りの告白。

小池都知事にケンカを売った男

グローバルダイニング

3月22日に提訴したグローバルダイニングの長谷川社長(中央)と代理人の倉持弁護士(右)。請求額は「1円×26店×4日」で104円 写真/朝日新聞社

 小泉純一郎首相とブッシュ大統領が会食した「権八」に、合コン会場の定番エスニック料理店「モンスーンカフェ」や「カフェ ラ・ボエム」。これらSPA!世代にもなじみ深い有名店を展開するグローバルダイニング(以下GD社)が東京都にケンカを売った。都を相手に起こした国家賠償請求訴訟だ。  その狼煙は昨年8月に上がっていた。都が飲食店に対して夜10時までの時短営業を要請するなか、GD社は長谷川耕造社長の「新型コロナウイルスに対する考え方」と題したリリースを発表。「数時間の営業時間短縮を行っても感染対策の効果は期待できない」「健康な方々で経済を回していくことが重要」と主張したうえで、「東京都からの時短要請は受けない」と宣言したのだ。  今年1月に2度目の緊急事態宣言が発令された直後にも、同社は改めて時短要請には応じないと発表。「医療崩壊とおっしゃっている国や自治体の関係者、感染症専門家の方々は何の準備もしていなかった?」と行政の怠慢にも言及した。  この間、都は時短要請を無視する飲食店の現地調査に動いていた。2000店舗の“反時短”店をリスト化し、第一弾として27店舗に時短命令を出したのが3月18日(翌19日に5店舗追加)。うち26店がGD社の運営だったことから、法廷闘争にまで発展した。 グローバルダイニング

どれほどの勝算があるのか?

「憲法で保障されている表現の自由と法律の下での平等に違反しているんじゃないかと思いました」  提訴後の会見で長谷川社長はこう怒りを露わにしたが、どれほどの勝算があるのか? 原告の代理人を務める倉持鱗太郎弁護士は「改正特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)及び、それに基づく命令の違憲・違法性が大きなテーマ」と語る。 「特措法では、感染防止のために『特に必要があると認めるときに限り』時短命令が出せると記載されています。しかし、命令が出た3月18日は、菅総理が21日をもって1都3県の緊急事態宣言を解除すると発表した日。医療体制のひっ迫度も都が目標としてきたステージ2まで下がっていた。  つまり、“特に必要がない”うえに、18~21日の4日間しか効力のない時短命令を都は出したわけです。そもそも時短要請・命令ができる特措法そのものが違憲である可能性があります。都のモニタリング会議では感染経路に占める飲食店の割合は平均5%で、接待を伴う飲食に至っては1%未満。  圧倒的に家庭内や医療・介護施設での感染が多いため立法事実からして疑わしい。営業の自由を過剰に規制しうる点でも違憲性の強い法律です」
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「矛盾と違憲性だらけの時短命令」その理由とは
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