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日中韓の少女が繰り広げる圧倒的エンターテインメント『Girls Planet 999』/明石ガクト

映像美にも注目。日中韓の少女が繰り広げる圧倒的エンターテインメント

動画オーバードーズ

『Girls Planet 999:少女祭典』より ©CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

 インタビューで推しは誰かを尋ねられると「箱推し」という言葉で逃げがち、ワンメディアの明石ガクトだ。  読者の皆さん、今回だけは僕の言うことに付き合ってほしい。すぐにお手元のスマートフォンでYouTubeを開きこの言葉を検索してくれ。 「ガールズプラネット999 OOO」。数字のゼロではなくアルファベットのオーを3つだ。ややこしくてごめん。1000万回以上再生されている動画が出てきたら迷わずそれをタップしてくれ。本連載でも紹介した韓国ドラマ『スタートアップ』のAIスピーカー、ヨンシルの声が聴こえてきたら正しい動画を選べている。

オリンピックでこれをやればよかったんじゃないか?

 紫の光を放つ巨大なステージに少女たちがスタンバイしているのが見えてくるはずだ。韓国出身の33人のパフォーマンスからこの物語は幕を開ける。誰もがデビュー前とは思えないほどのクオリティの高さだ。一糸乱れぬダンスを踊る一人ひとりの顔を、何台あるのかわからないカメラが抜いていく。  変化が起こるのは2分50秒。俯瞰視点からステージ中央のオブジェにカメラが迫り、小さな円形の中央をすり抜けていく。そうか、これはドローン撮影なのか!と思うや否や、画面には先ほどまでとは別の少女たちが現れる。  日本出身の33人と中国出身の33人が加わり、この超巨大なステージには99人が立っていることを君は理解するだろう。カメラの姿は一台も見えない。寄りの撮影、ドローン撮影、何度もテイクを繰り返して世界観に没入できるよう工夫しているのだ。3分50秒、それぞれの国のセンターが中央に集まり場面は再び転換を迎える。  オリンピックでこれをやればよかったんじゃないか?と感じるほどのスケール感。星々の輝きを模したドローンはまさにガールズプラネット。日中韓、それぞれが手をつなぐ振り付けはエンターテインメントが「境界を超え、言葉を超え、限界を超えて」国をつなげることへの切なる祈りのように僕は思える。さぁ、存分に歴史の転換点を目撃してくれ。 ●『Girls Planet 999:少女祭典 友情★★★、努力★★★★★、勝利★★★★(5点満点) 日中韓の合計99人の候補者たちが、審査員と視聴者の投票で選ばれグローバルアイドルになっていく壮大な物語だ。(「ABEMA」で一挙配信中)
’82年、静岡県生まれ。上智大学卒。’14年、ONE MEDIAを創業。近著に『動画の世紀 The STORY MAKERS』(NewsPicks Select)がある

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